医療安全推進室

ご挨拶

患者さんへのメッセージ

病院で受ける医療において、「100%の安全」は当たり前なことでしょうか?
残念ながらどんな簡単な(高度でない)医療行為においても「100%の安全」は保証されるものではありません。
かといって専門的・高度ながん医療を安心して受けられなくては困ります。医療安全推進室は、当センターにおける医療行為が「100%の安全」に少しでも近づけるよう、がん種(診療科)の違いや治療方法の違い、職種の違いを越えたトータルな医療安全体制づくりを日々活動しています。

当センターにおける医療安全は、以下の5つを基本柱として活動しています。

  • 安全管理体制の構築
  • 医療安全に関する職員への教育・研修の実施
  • 医療事故を防止するための情報収集、分析、対策立案、フィードバック、評価
  • 医療事故への対応
  • 医療安全文化の醸成

全職員のそれぞれが医療安全に対する高い意識のもと安全・安心な医療を提供して参ります。

副院長兼医療安全推進室長

森永 聡一郎もりなが そういちろう

令和5年度 医療安全目標

  • 患者誤認(書類含む)レベル2以上:ゼロ
  • 麻薬インシデントレベル2以上:ゼロ
  • インシデントレベル0・1報告:全体の80%以上
  • 内服薬関連インシデント:前年度比10%減

医療安全管理体制構築のために

当センターに医療安全推進室を設置して以下の組織体制のもと医療安全活動を推進します(図1)。

1) 医療安全にかかわる組織体制

    • 医療安全管理責任者:必要な権限と資源を付与され、あらゆる医療安全に関する業務の責任者として、医療安全の中心的役割を担います。
    • 医療安全管理者:医療安全に関する業務の専従の担当者として、医療安全推進室員とともに、医療安全に関して中心的役割を担います。
    • 医薬品安全管理責任者:医薬品使用にかかる業務の責任者として、医薬品安全の中心的役割を担います。
    • 医療機器安全管理責任者:医療機器の使用にかかる業務の責任者として、医療機器安全の中心的役割を担います。
    • 医療放射線安全管理責任者:診療用放射線の安全管理の責任者として、放射線使用に関する指針の策定、医療被ばくの線量管理等を行います。
    • 医療安全推進者(リスクマネージャー):各部門・セクションで医療安全活動を推進します。
    • 医療安全推進室員:医療安全活動を組織横断的に推進します。


2) 医療安全にかかわる会議(図2)

  • 医療安全管理会議:医療安全管理対策を総合的に企画・実施するために設置されますが、重大な医療事故発生時等は適宜臨時開催します。
  • リスクマネージャー会議:医療安全に関して迅速かつ機動的に活動することを目的に医療安全管理会議の下部組織として活動します。必要なワーキンググループ活動も企画します。
  • 有害事象検討会議:薬剤投与や手術・検査などの医療行為とその後の様々な事象に関して検討することを目的とし活動します。複数の医師、薬剤師、医療安全管理者で構成し、必要に応じて担当医・担当科に対して事例の詳細報告の提出を求めたりします。
  • 医療ガス安全管理会議:医療用ガス(診療の用に供する酸素・各種麻酔ガス、吸引、医療用圧縮空気、窒素等)の安全管理を図ります。
  • 医薬品安全管理会議:医薬品の管理について明確な指針を提示し、患者の安全の確保と医薬品の安全使用が可能な環境を構築します。
  • 医療機器安全管理会議:安全で質の高い医療を提供するために様々な医療機器の管理を担当します。
  • 医療安全推進室会議:日々のインシデントを迅速に共有して医療安全対策を行うために多職種で構成されたコアメンバーで活動します。毎週1回の巡視・検討会も開催します。
  • 臨床倫理小委員会:様々な倫理問題を検討する目的で必要に応じて随時開催します。
  • 放射線治療安全管理会議:放射線治療における安全管理の質向上を推進するために、設置されています。
  • 手術室安全管理会議:手術室における安全管理と質の向上を推進するために設置・活動しています
  • 医療安全監査委員会:医療に係る安全管理のための体制を評価し、その業務実施状況について中立かつ 客観的な立場から外部監査します。

図1. 神奈川県立がんセンターにおける医療安全推進室の位置付け



図2. 神奈川県立がんセンターの医療安全活動と会議



3) 医療安全研修

全職員を対象としたに医療安全研修を年2回実施するとともに、年1回以上の医薬品、医療機器、医療ガス、放射線に関する安全講習の受講を必須としています。また新規採用者や中途採用者に対しては、医療安全に関するオリエンテーションを適宜実施しています。

4) 医療安全の報告体制

医療安全部門の目標の一つは「再発防止」であるので、発生した事例の速やかな情報収集、原因分析、再発防止策の立案と実施、評価が不可欠です。事例の情報収集は、インシデントレポート(ヒヤリ・ハット及びアクシデント報告)、合併症有害事象報告、暴言・暴力・クレーム報告、院内緊急コールの報告、および院内死亡例報告を行っています。

5) 医療事故への対応

まず何より患者さんの安全・救命を最優先しますが、病院の過失の有無に関わらず誠実に透明性のある対応を第一に心がけます。事実の隠蔽、秘匿につながる言動を行わず、“隠さない”“嘘をつかない”“責任転嫁しない”事を基本姿勢と考えています。

6) 安全文化の醸成

医療安全活動は正解や終わりがないため、医療安全担当部門だけではなく全職員がその重要性を理解し、協力することが重要です。全職員が医療安全活動に参画できるよう、医療安全推進室が中心となって取り組みます。

  • 医療安全の日(毎年4月16日):過去に経験した医療事故を風化させず、今後の医療安全活動に活かすため、全職員で振り返る全体会議(院内職員むけ)を設けています。 医療事故調査委員会報告
  • 医療安全推進週間:厚生労働省が推進する「患者の安全を守るための共同行動」の一環として、毎年11月25日を含む1週間に実施されます。
  • 医療安全ニュース:院内・院外の医療安全に関する情報や職員への注意喚起、法改正など、月一回程度に医療安全推進室が発行しています。
  • 神奈川県立病院機構医療安全推進会議・医療安全管理者ワーキング:神奈川県立病院機構の医療安全活動に参加し、病院間での医療安全情報の共有等を行います。 神奈川県立病院機構ウェブサイト

7) 医療安全に関するご相談への対応

患者さんやその家族からの医療安全に関する相談の受付は、「がん相談支援センター」が窓口を担当し、直ちに医療安全推進室と共有されます。お気付きの点やお困りの点がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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