病院で受ける医療において、「100%の安全」は当たり前なことでしょうか?
残念ながらどんな簡単な(高度でない)医療行為においても「100%の安全」は保証されるものではありません。
かといって専門的・高度ながん医療を安心して受けられなくては困ります。医療安全推進室は、当センターにおける医療行為が「100%の安全」に少しでも近づけるよう、がん種(診療科)の違いや治療方法の違い、職種の違いを越えたトータルな医療安全体制づくりを日々活動しています。
当センターにおける医療安全は、以下の5つを基本柱として活動しています。
全職員のそれぞれが医療安全に対する高い意識のもと安全・安心な医療を提供して参ります。
副院長兼医療安全推進室長
森永 聡一郎もりなが そういちろう
当センターに医療安全推進室を設置して以下の組織体制のもと医療安全活動を推進します(図1)。
1) 医療安全にかかわる組織体制
2) 医療安全にかかわる会議(図2)
図1. 神奈川県立がんセンターにおける医療安全推進室の位置付け
図2. 神奈川県立がんセンターの医療安全活動と会議
3) 医療安全研修
全職員を対象としたに医療安全研修を年2回実施するとともに、年1回以上の医薬品、医療機器、医療ガス、放射線に関する安全講習の受講を必須としています。また新規採用者や中途採用者に対しては、医療安全に関するオリエンテーションを適宜実施しています。
4) 医療安全の報告体制
医療安全部門の目標の一つは「再発防止」であるので、発生した事例の速やかな情報収集、原因分析、再発防止策の立案と実施、評価が不可欠です。事例の情報収集は、インシデントレポート(ヒヤリ・ハット及びアクシデント報告)、合併症有害事象報告、暴言・暴力・クレーム報告、院内緊急コールの報告、および院内死亡例報告を行っています。
5) 医療事故への対応
まず何より患者さんの安全・救命を最優先しますが、病院の過失の有無に関わらず誠実に透明性のある対応を第一に心がけます。事実の隠蔽、秘匿につながる言動を行わず、“隠さない”“嘘をつかない”“責任転嫁しない”事を基本姿勢と考えています。
6) 安全文化の醸成
医療安全活動は正解や終わりがないため、医療安全担当部門だけではなく全職員がその重要性を理解し、協力することが重要です。全職員が医療安全活動に参画できるよう、医療安全推進室が中心となって取り組みます。
7) 医療安全に関するご相談への対応
患者さんやその家族からの医療安全に関する相談の受付は、「がん相談支援センター」が窓口を担当し、直ちに医療安全推進室と共有されます。お気付きの点やお困りの点がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
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