クリニカルパス

クリニカルパスについて

患者さんの中には、クリニカルパスという言葉を聞いたことがない方もたくさんいらっしゃると思います。患者さんにお渡しする「クリニカルパス」(以下、パスと略記)とは、治療を受けられる患者さんの治療過程を解りやすく形式的に図式化した治療についての予定表です。同じ疾患の患者さんには、できるだけ同質で標準的な医療を提供しようというものです。

パスは、できる限り科学的根拠(エビデンス)に基づくものとなっており、医療の質がより良いものとなることを目指しています。当センターにおけるパスの目的は、

  • 患者さんへの標準的医療の提供
  • 患者さんへの十分なインフォームドコンセントの提供
  • 患者さんの治療中の異常の早期発見と対処

です。

まだパスが作成途中の対象疾患がありますが、皆さまがより安心して医療を受けられるように当センターにおける治療に、できる限りパスを導入できるよう準備を進めています。

患者さん用クリニカルパス活用法

当センターで医療を受けられる方は、入院もしくは外来で、ご自身の治療について説明を受ける際、治療の予定表をもらいます。予定表には、治療過程において、皆さんが積極的に治療に参加いただけるように、いつ、何のために、どのような検査や処置が行われるのかについて、できるだけ医療用語を使用せずに解りやすく書かれています。

患者さん個々の体の状態が違うこともあり、パスでの標準的な治療は、80%程度の方に適していることを目指して作成しています。そのため、時には予定どおり進まない場合もありますが、そのような場合には、主治医・看護師に疑問に思っていることなどについて、十分な説明を求める手段となるでしょう。治療に伴うさまざまな心配や気がかりを、ご自身だけで抱え込まず、私たち医療者とともに解決に向けて取り組めるようご活用していただきたいと考えています。

クリニカルパス会議

患者さんへのより良い医療を提供するためには、病院のシステムの改善や医療チームの連携が欠かせません。患者さんが安心してパスに基づいた医療を受けられるように、パスの作成、承認、評価をする会議を行っています。この会議では、パス作成の支援と同時に、作成されたパスについての検討を繰り返しながら厳しいチェックを行います。当センターでは、この会議で承認されたパスのみを使用しています。より多くの患者さんに安心した医療を提供できるよう、今後もパスの作成を継続していく予定です。

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