脳神経外科

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ご挨拶

「病気を治し、自分らしさを守る」ために

2026年4月より脳神経外科 科長を拝命した大島聡人と申します。

脳は、体を動かし、言葉を話し、思い出を刻むといった、その人らしさを司るかけがえのない臓器です。それゆえに、脳のご病気を前にして、患者様やご家族が計り知れない不安や戸惑いを感じられるのは、当然のことです。

当科の使命は、単に腫瘍を取り除くことだけではありません。私たちは、「病気を抑え込むこと」と「その人らしい生活の質(QOL)を維持すること」を最優先に考えています

そのため、治療方針を決定する際には、患者さんお一人おひとりの価値観や生活背景を大切にしています。最新の知見に基づいた手術のメリットとリスク、そして放射線治療や化学療法を含めたすべての選択肢を分かりやすく丁寧にご説明します。その上で、患者さんとご家族が心から納得し、前向きに治療に臨めるよう、共に歩む専門家として誠心誠意サポートさせていただきます。

脳神経外科 科長 大島 聡人

診療科の特色

当科は、がん専門病院の脳神経外科として、原発性脳腫瘍(グリオーマ、悪性リンパ腫等)や、他臓器から転移した脳腫瘍をはじめとした脳腫瘍全般に対し、高度な専門医療を提供しています。

  1. 1.機能を温存するための「精緻な手術」

脳腫瘍の手術において最大の課題は、腫瘍を最大限に切除しながら、周囲の正常な脳機能をいかに守り抜くかという点にあります。私たちは、以下の先端技術を駆使し、高精度に機能の温存を図っています。

  • 高度な術前シミュレーション: トラクトグラフィー(神経線維の可視化)や機能的MRI等を用い、脳の「重要な機能の拠点」を事前にマッピングします。
  • リアルタイムの安全確保: 豊富な脳腫瘍の執刀経験を有する術者が顕微鏡を用いて手術を行います。リアルタイムに手術部位とMRI画像をリンクさせるシステム(ニューロナビゲーション)や、腫瘍を光らせる蛍光物質(5-ALA)を駆使して、正常組織との境界を特定します。
  1. 2.がん専門病院ならではの「高度な分子診断」と「個別化医療」

近年の脳腫瘍治療では、腫瘍の遺伝子レベルでの性質(分子診断)を正しく把握することが、最適な治療法を選ぶ上で欠かせません。当科では、病理部やがんゲノム診療科と連携しながら、精緻な分子診断を行なっています。さらに、特殊な脳腫瘍などで診断が困難な場合には、密接に連携している横浜市立大学脳神経外科学教室と協力して解析を追加することも可能です。こうした連携により、一人ひとりの病状に最も適した「個別化医療」を提供いたします。加えて、再発悪性神経膠腫の方を対象とした臨床試験も行っています。

  1. 3.がんセンターならではの「チーム医療」

脳腫瘍の治療は、手術、放射線、化学療法、免疫療法を組み合わせる「集学的治療」が不可欠です。当科では、放射線治療科や腫瘍内科、リハビリテーション科と強力なタッグを組み、診断から手術、術後のケア、その後のフォローアップまでを一貫して行う体制を整えています。さらに、がん患者さんは治療中に脳梗塞、頭痛、認知機能の低下などを生じてしまうこともあります。このような、脳神経疾患全般に対しても、専門的な治療とサポートを提供いたします。

診療疾患

  • 神経膠腫(グリオーマ): 手術による最大限の摘出と分子診断に基づいた精密な治療を提供します。また、再発症例を対象に臨床試験も行っています
  • 転移性脳腫瘍: 主科と連携して手術、化学療法、放射線治療の中でベストな選択をします
  • 悪性リンパ腫: 生検術に加え、血液内科と連携した化学療法と放射線治療を組み合わせた集学的管理を提供します
  • 胚細胞腫瘍: 専門性の高い集学的治療を提供します
  • 髄膜腫:多くは良性腫瘍に対する摘出術ですが、悪性髄膜腫に対する集学的治療もおこなっています
  • その他: 稀な脳腫瘍、癌性髄膜炎などにも対応しています
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おおしま あきと

大島 聡人

科長

【専門医/認定医】

日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本がん治療認定医 日本脳卒中学会専門医 日本頭痛学会専門医 日本認知症予防学会専門医 ほか

やえがし まりこ

八重樫 茉莉子

医師

診療科等 外来
脳神経外科 A

八重樫茉莉子(AM)

八重樫茉莉子(AM)

大島 聡人 大島 聡人

外来患者数

区分 2021 2022 2023 2024 2025
新患者数 34 36 27 32 18
延患者数 1,765 1,732 1,537 1,543 1,632

入院患者数

区分 2021 2022 2023 2024 2025
新入院患者数 73 82 61 65 61
延入院患者数 1,567 1,791 1,159 1,449 1,190

年間手術件数内訳*1

手術名 2020 2021 2022 2023 2024 2025
腫瘍関連*2 29 33 44 41 47 32
水頭症手術*3,*4 12 16 31 12 15 13
その他 7 11 3 9 3 2
48 60 78 62 65 47

*1 同一症例・手術での重複を含む

*2 開頭腫瘍摘出術・生検術・頭蓋骨腫瘍摘出術を含む

*3 癌性髄膜炎(髄膜癌腫症)に伴う続発性水頭症に対する治療

*4 Ommaya貯留槽設置術、脳室腹腔短絡術、腰椎腹腔短絡術、シャント抜去術/再建術を含む

治験

悪性脳腫瘍の中でも最も治療の難しい再発・難治性の悪性神経膠腫の患 者さんを対象に、64Cu-ATSMの治療によって、これまでの標準治療と比較して、生存期間を延長するかどうか検証するためのランダム化比較第Ⅲ相医師主導治験(STEP-64 試験、試験番号 NCCH2301)を2024年 6 月から開始しました。STEP-64 試験は、脳腫瘍に対する日本発の放射線治 療薬として 64Cu-ATSM の承認を目指す試験となります。
治験に参加される際には、さまざまな条件をクリアできる方のみ対象となります。 詳細は脳神経外科の外来受診の際にご相談ください。

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