治療対象部位について(医療関係者の方へ)

医療関係者の方へ

神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設

重粒子線治療の対象となる疾患
(医療関係者向け)

疾患により紹介のご案内が異なりますので、下記に従って紹介をお願いいたします。

はじめに

重粒子線治療は体に負担が少なく、年齢や併存疾患等で他治療が選択できない患者さんも対象になります。しかし全ての病状に対して行える治療ではなく、各疾患の共通の条件として以下の項目を満たすことが必要になります。

一般的条件

  • 画像上病変が確認でき、限局性病変であること
  • 重粒子線治療を根治的治療として行うこと
  • 少なくとも30分間程度は安静な状態で横になれること
  • 治療開始時のPS(ECOG Performance Status)が0-2であること
  • がんの告知を受け、重粒子線治療を自分の意思で希望していること

なお、重粒子線治療の適応はキャンサーボードによる総合的な判断を必要とします。
受診後の検討の結果、重粒子線治療の適応とならない場合もあります。

適応疾患

重粒子線治療は、公益社団法人日本放射線腫瘍学会の主導により作成された適応症と統一治療方針に基づいて実施します。詳細は以下「治療費について」ページをご確認ください。
当センターにおいて重粒子線治療の対象となる疾患の一覧をお示しします。

保険適応

対象疾患・費用について

  • 頭頸部悪性腫瘍、骨軟部腫瘍、早期肺がん、大きな肝細胞がん、肝内胆管癌、膵癌、大腸癌術後骨盤内再発、及び子宮頸部腺癌、大きな子宮頸部扁平上皮癌、婦人科悪性黒色腫:237,500点(237万5千円)
  • 転移のない前立腺癌:160,000点(160万円)
  • 自己負担割合は0~3割、高額療養費制度の利用可
頭頸部 頭頸部悪性腫瘍(口腔/咽頭頭/鼻副鼻腔の扁平上皮癌を除く)、頭蓋底悪性腫瘍
照射回数 16回、治療期間 4週間
前立腺 局所進行前立腺癌・局所進行前立腺癌
照射回数 12回、治療期間 3週間
骨軟部 切除非適応限局性骨軟部腫瘍
照射回数 16回、治療期間 4週間
早期肺癌(I期〜ⅡA期まで)
照射回数 24回、治療期間 1週間
肝臓 肝細胞癌(直径4cm以上のもの)、肝内胆管癌
照射回数 4回・12回、治療期間 1週間・4週間
膵臓 局所進行性膵臓癌
照射回数 12回、治療期間 3週間
大腸 局所大腸癌術後骨盤内再発
照射回数 16回、治療期間 4週間
子宮 局所進行性子宮頸部腺癌
照射回数 16回、腔内照射 3回、治療期間 4週間

局所進行性子宮頸部扁平上皮癌(長径6cm以上)
照射回数 16回、腔内照射 3回、治療期間 4週間
婦人科 婦人科領域悪性黒色腫
照射回数 16回、治療期間 4週間

先進医療

対象疾患・費用について

  • 早期食道がん
  • 小さな肝細胞癌
  • 孤発性の肺転移・肝転移・リンパ節転移
  • 局所進行肺がん
  • 小さな子宮頸部扁平上皮癌

先進医療にかかる費用(重粒子線治療技術料)は照射回数に関わらず一連の治療で350万円となり、全額自己負担になります。なお、先進医療特約はご利用可能です。詳しくは保険会社へお問い合わせ下さい。
重粒子線治療技術料以外に発生する診察、検査、薬代などについては健康保険が適用できます。

食道 早期食道癌(Ⅰ期)
照射回数 12回、治療期間 3週間
局所進行性肺癌(保険適応は除く)
照射回数 4回・12回、治療期間 1週間・3週間
肝臓 肝細胞癌(4cm未満のもの)
照射回数 4回・12回、治療期間 1週間・4週間
子宮 局所進行子宮頸部扁平上皮癌(長径6cm未満)
照射回数 16回、腔内照射 3回、治療期間 4週間
腎臓がん
照射回数 4回・12回、治療期間 1週間・3週間
肺転移 孤発性肺転移(原発巣を含め他病変が制御されている)
照射回数 4回・12回、治療期間 1週間・4週間
肝転移 孤発性肝転移(原発巣を含め他病変が制御されている)
照射回数 4回・12回、治療期間 1週間・4週間
リンパ節転移 孤発性リンパ節転移(原発巣を含め他病変が制御されている)
照射回数 12回・16回、治療期間 3週間・4週間

疾患ごとの治療内容

頭頸部腫瘍

骨軟部腫瘍

食道癌

肺癌

肝臓癌

膵臓癌

大腸癌

前立腺癌

腎癌

子宮癌

婦人科癌

転移性腫瘍

医療関係者の方へ

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