各学部の研究活動
がん生物学部

スタッフ

※ メールアドレスの[at]は@に直してご送信ください。

部長代理 星野 大輔(ほしの だいすけ)
1) 内線番号 4039
2) FAX番号 045-520-2216
3) Eメール dhoshino[at]gancen.asahi.yokohama.jp
4) 専門 腫瘍生物学、オルガノイド生物学
任期付研究員 齋藤 菜緒(さいとう なお)
1) 内線番号 4051
2) FAX番号 045-520-2261
3) Eメール nasaito[at]gancen.asahi.yokohama.jp
4) 専門 細胞生物学、分子生物学
任期付研究員 関原 和正(せきはら かずまさ)
1) 内線番号 4051
2) FAX番号 045-520-2261
3) Eメール sekihara[at]gancen.asahi.yokohama.jp
4) 専門 放射線生物学、細胞生物学
研究補助員 猪狩 瑞穂(いがり みずほ)(常勤)
研究補助員 柴田 竜子(しばた りゅうこ)
客員研究員 長野 真(ながの まこと)
東京理科大学基礎工学部・助教

がん生物学部の紹介

 がん生物学部は星野が令和2年7月に、患者由来オルガノイド開発ユニットより異動し、新たな研究部として始動しました。現在、星野に加え、任期付き研究員1名、技術職員2名の体制で、がん悪性化分子機序の解明と難治がんの治療法開発を目指した基礎および橋渡し研究を進めています。星野は、本学部着任前より、臨床研究所患者由来オルガノイド開発ユニットにおいて乳腺内分泌腫瘍や消化器系腫瘍などの臨床検体からオルガノイドライブラリーを構築し、悪性腫瘍の発症機序や新規治療標的の開発を進めてきました。がん生物学部でも引き続き、本がんセンター病院と臨床研究所の医療従事者や研究者・技術者、支援員の方々、そして患者様と一体となって、臨床検体から様々なオルガノイドライブラリーを構築し、従来のがん細胞株を用いた研究手法と組み合わせて、新たながん治療法の開発を目指した橋渡し研究を推進します。

がん生物学部

研究課題

  1. 簡便なオルガノイド培養方法の開発
    従来のがん研究では、臨床検体から単一のがん細胞を単離して株化して用いてきました。株化したがん細胞を用いる利点は、培養・維持が簡便で安価で実験に用いやすく、がん増殖や運動性、浸潤・転移活性の評価など、すでに様々な実験手法が確立されている点です。特に、単一の遺伝背景に由来する細胞ですので、実験結果の再現が得やすく、遺伝子操作なども簡便に行えます。このため現在は、ほぼ全てのがん種で様々な人種に由来するがん細胞株が樹立され、研究者間で譲渡されて用いられています。しかしながら近年、株化されたがん細胞が培養を繰り返す過程で、元々持っていた様々な性質を失い、ある意味全く別の細胞になってしまうことすら起こり得ることが分かってきました(例えば発現タンパク質の変化や上皮・間葉形態の変化など)。さらに株化細胞を用いる大きな問題点は、生体内での複雑な組織形態と異なり、培養ディッシュ上で単一細胞のシート状の形態で生育する点です。このように生体内の環境を全く反映しない状態では、抗がん剤に対する感受性なども変わってくることがよく知られています。
    このため近年、生体内から取り出されたがん組織を、その複雑な形態を維持しながら培養するオルガノイド培養法が開発され、様々ながん腫でのオルガノイドの樹立が取り組まれるようになってきました。オルガノイドは患者生体内の腫瘍の多様性や性質をそのまま維持できることが最大の利点ですが、一方で培養の難しさ、特に発生組織ごとに培養法が異なり、一般化できていない点が欠点として挙げられます。当然、検体を利用できる環境であることも大きなポイントとなります。がん生物学部では、隣接するがんセンター病院の医療チームと協力して、様々ながん種に由来するオルガノイドを樹立し、個々のオルガノイドに最適かつ簡便な培養方法の確立に取り組んでいます。さらに、多くのオルガノイドに適用できるような、自作の試薬類を用いた培養方法の一般化にも取り組んでいます。
  2. 希少がん由来オルガノイドライブラリーの構築
    希少がんは、その希少性から基礎研究に使用できる培養細胞株や動物モデルが少ないためあまり研究が進んでいません。そこで、がん生物学部では、本がんセンター病院と横浜市立大学病院および横浜市立大学市民総合医療センターと連携して本プロジェクトに取り組んでいます。
  3. オルガノイドライブラリーを用いたがん治療の分子基盤の確立と臨床応用
    がん生物学部では、オルガノイドライブラリーを樹立することだけを目的としていません(Living Biobank)。世界で我々だけが保有するオルガノイドライブラリーを用いて基礎研究を行い、これまでにないがん治療の分子基盤の確立とその臨床応用を目指しています。
  4. 培養細胞株を用いた新技術開発とその応用
    上述の通り、オルガノイド培養系は利点が多くありますが、まだ開発途中の技術です。10年後にやはりオルガノイド培養はよくないという結果になることもゼロではないと思っています。詳細は省きますが、培養細胞株とオルガノイドのそれぞれの利点、欠点を理解して研究を行なっていくことが重要であると考えています。がん生物学部では培養細胞株を用いて以下の研究を行なっています。
    A 培養細胞を用いた基礎研究から臨床検体を用いた解析という従来型の研究
    B がん細胞と間質細胞の相互作用の可視化ツールの開発

がん生物学部の研究業績