ロボット手術センターについて
すべてのがん患者さんに
安心の治療環境をご提供
がんセンターでは2018年8月から手術支援ロボット「da Vinci(ダヴィンチ)X」を導入、泌尿器科をはじめとする各診療科医師と麻酔科医、看護師、臨床工学技士のスタッフで、チーム一丸となって安全かつ確実な手術に取り組んできました。
また2025年4月よりロボット手術センターを発足、患者さんがこれまで以上に円滑に手術を受けられる環境を整えており、がんの専門医も多数在籍することにより、集学的な治療が受けられる環境となりました。
当院は手術(ダヴィンチ)および放射線(重粒子)の両者が提供できるがん専門病院です。





センター長のご挨拶
がん専門病院が展開するロボット手術



センター長のご挨拶
がん専門病院が展開するロボット手術
「がんの手術は負担が大きくても仕方がない」
「手術後の生活は大変なことばかりで不安です」
手術を目前にした多くの患者さんから寄せられる声に、最新のテクノロジーによって我々の目や手を遙かに超える解像度と精緻な動きを手に入れたロボットを駆使したがん根治手術を広くお届けしたい、という想いを体現するためにロボット手術センターが設立されました。
がんにならないことが一番、しかし、がんになってしまっても、がん専門病院で培った多くの手術経験と明確なエビデンスを下に、治療もその後の大事な生活や社会復帰も諦めることのない、体への負担の少ない質の高いがん手術をご提供します。ロボット手術センターは様々な医療職が関わる最先端のがん専門手術チームとして、手術前から手術後まで患者さんやご家族に寄り添いながら、サイエンスにやさしさを乗せて展開してまいります。
ぜひお気軽にご相談ください。
地方独立行政法人神奈川県立病院機構
神奈川県立がんセンター
ロボット手術センター長佐治 晴哉
da Vinci
ダヴィンチは、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。
高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現する装置です。医師は鮮明な画像を見ながら、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具(鉗子)を使用し、精緻な手術を行うことができます。ロボット支援手術は完全に医師の操作によって実施されます。
ダヴィンチは、すべて以下の3つの機器から構成、
医師の手の動きを、より細かく精密な動きに変換、確実な手術の手助けとなる革新的なロボットです。
-
高倍率3D映像と精密操作で、
人の手を超える自然な動きを実現。 -
精密なロボットアームが手ブレを
補正し、安全で正確な手術を実現。 -
手術画像を最適化し、
スタッフ全員が進行状況を共有可能。
安心と精密さを両立、
次世代の手術体験
ダヴィンチ手術の患者さんにとっての
メリット・特徴をご紹介いたします。
-
01
身体への
負担軽減、
短い入院期間小さな切開で済むため、痛みが少なく、出血量も抑えられます。
従来の手術より回復が早く、社会復帰までの期間が短縮されます。 -
02
正確かつ
安全な
手術が実現高倍率3D画像とロボットアームの精密な操作で、従来よりも正確な治療が可能です。
-
03
手術による
合併症のリスク低減微細な操作と安定した動きにより、手術後のリスクを最小限に抑えます。
ダヴィンチ手術の流れ
Flow-
Step
診療予約
医療機関で紹介状をいただき、ご自身で電話によりお申し込みください(045-520-2210)。1週程度で初診日が予約できます。
-
Step
治療方法の説明
初診
紹介状を元に診察させていただき、病状を把握します。治療方針決定のために必要な検査を追加しますが、十分な情報があれば初診で手術が決定される方もいらっしゃいます。
-
Step
院内にて検討
カンファレンス
診療科内、あるいは関連する診療科とカンファレンスを開き、最適な治療について検討します。
-
Step
手術方法の
決定ロボット手術が最適と判断された場合、外来で詳細をご説明します。ご同意が得られれば手術日程を決定します。
-
Step
入院
麻酔科診察、入院生活についてのオリエンテーション、薬剤指導、など手術に向けて準備します。
-
Step
手術
外科医、麻酔科医、看護師、臨床工学士がチームを組み、低侵襲、高精度な手術を提供します。
-
Step
退院
術式によりますが、小さい創で負担が少ないため手術翌日から歩行可能です。退院後すぐに職場復帰される方もいらっしゃいます。
-
Step
術後フォロー
手術の結果の説明、手術後の合併症のチェック、術後再発のチェック等のため、当院及び関連医療機関で定期的に経過観察を行います。
各診療科医師から
メッセージ
Message- 婦人科
婦人科では早期子宮体癌と子宮頸部前がん病変である異形成に対してロボット支援下手術を実施しています。骨盤内の深い操作を行う上で、ロボットの自在なカメラワークと多関節機能を駆使することで、繊細かつ最大限の機能温存を可能にした体にやさしい手術をご提供しています。現在6名の手術資格者が保険収載下で実施しており、リンパ節郭清時でも概ね非常に出血量も少なく、入院期間の短縮と術後早期の社会復帰を可能にしています。
佐治 晴哉
- 大腸外科
大腸外科では2019年8月より直腸癌に対してロボット手術を導入いたしました。その後、結腸癌に対しても導入しています。直腸癌および結腸癌ともにロボット手術は保険適応であり通常の診療範囲内で受けることができます。直腸癌に関してはロボット手術の多関節動作を利用した精緻な手術を行うことが可能となり術後の排尿機能障害、性機能障害、排便機能障害を腹腔鏡手術よりも回避することができます。
塩澤 学
- 呼吸器外科
原発性肺がん、転移性肺腫瘍に対する肺切除術は最近ではほとんどが内視鏡手術(胸腔鏡下手術)で行われています。ロボット支援下手術でも胸腔鏡下手術と同様に、小さな傷で手術が可能であり、3Dでの拡大立体視効果と多関節機能により、さらに高精度な手術を実現できます。呼吸器外科では2022年より導入し、術者のプロクター認定も受け順調に経験数を増やし、さらなる高度な手術にも対応できるようにしています。患者さんの負担を軽減し、より早く回復できるよう診療科一丸となって努めてまいります。
伊藤 宏之
- 肝胆膵外科
膵切除術は高難度かつ高侵襲な手術であり、開腹手術では手術創が大きく、回復に時間を要します。一方、ロボット手術では小さな傷で手術が可能であり、特に3D拡大立体視効果と多関節機能といった特徴により、高精度な手術を実現します。当院では2024年より膵腫瘍に対するロボット支援下膵切除術を導入しました。膵切除術の負担を軽減し、患者さんがより早く回復できるよう努めてまいります。
村川 正明
- 泌尿器科
泌尿器科は前立腺、腎臓、膀胱といった体の深いところにある臓器を扱いますが、そのほとんどを体への負担が少ないロボット支援手術で実施しています。2024年度は前立腺がん、腎がん、膀胱がん合わせて約250件のロボット手術を安全に行いました。経験豊富な医師が丁寧に対応し、安心できる治療を提供しています。
中井川 昇
- 胃食道外科
胃癌
当院では2019年より胃癌に対してロボット手術を導入いたしました。
胃癌の手術は、胃の切除および胃周囲のリンパ節の切除(郭清)と再建が必要です。複雑に入り組んだ臓器や血管および脂肪からリンパ節を切除する際や切除後に残胃や食道と小腸を縫合する際には、自在に動き手振れ防止の機能を備えたロボットアームを用いることで、体への負担を最小限にして、正確で緻密な手術をすることができます。
このような技術を用いた胃癌ロボット手術はさらに安全性が向上したと国内外から報告されています。
食道癌
Under construction
山田 貴允


Reservation
予約制・紹介制のご案内
地域の医療機関と連携を密に行い、医療機関やかかりつけ医の診療により、
がんの疑いやがんの診断を受けた方に紹介状を持参して受診頂くようお願いしております。
受診予約は、患者さんからの電話により受付けております。
担当者が通話により紹介状がお手元にあることを確認し、希望診療科等を伺いながら対応いたします。
医療機関向けのお問い合わせ番号
各診療科の手術実績
Recordロボット支援手術の推移

- 腎
- 前立腺
- 膀胱
- 胃
- 大腸
- 肺
- 膵
費用について
Cost以下にて、ダヴィンチ手術を受けられた場合の費用について、例をもとにご紹介いたします。
詳細な費用については、ご担当医師へご確認ください。
例)ダヴィンチによる前立腺がん手術:前立腺全摘術10日の場合
健康保険をご使用になられる場合
70歳未満の方:約45万円(3割負担)
70歳以上の方:57,600円(所得により異なる場合があります)
高額療養費制度を利用される場合(一般所得者)
所得区分 | 高額療養費制度を利用した場合 | |
---|---|---|
70歳未満の方 | 年収約1,160万円〜の方 | 約260,000円 |
年収約770万円〜約1,160万円の方 | 約180,000円 | |
年収約370万円〜約770万円の方 | 約95,000円 | |
〜年収約370万円の方 | 57,600円 | |
住民税非課税の方 | 35,400円 | |
70歳以上の方 | 57,600円 |
- 食事代や差額ベッド代等は含まれておりません。
よくある質問
Questions-
ロボット手術のロボットアームはどのように動くのですか?
ロボットが独自に動くのではなく、執刀医の手の動きが操作台からロボットに伝わり、ロボットアームが患者さんの中で忠実に再現します。
ロボットの手先は関節機能により人の手以上の可動域を持ち、手ブレ補正機能も搭載され細かく滑らかな動きが可能です。安全で精密な操作により質の高い手術が可能です。 -
手術中に執刀医以外のスタッフの役割は何ですか?
執刀医以外に直接患者さんに触れて腹腔鏡操作をする医師が2,3名加わります。
麻酔科医師が全身麻酔をかけつつ全身管理を行い、手術看護師が術者の介助や患者さんの安全管理を行います。臨床工学士がロボットのセットアップや手術中の機器管理をします。熟練の専門職がチームワークでロボット手術を行います。 -
ロボット手術のメリットは何ですか?
多くの術式で出血量、合併症がより少ない報告があります。
3Dカメラで立体的に臓器が観察でき、ロボットアームでは鉗子のブレが補正されるので通常の腹腔鏡より正確な手術が可能です。 -
高齢者や既往症のある患者でもロボット手術を受けられますか?
通常の手術を受けられる健康状態の方であれば、問題なく受けることが出来ます。
むしろ負担が少ないため、より多くの方が手術を受けられるようになっています。ただし、以前に手術を受けたことのある方や重い合併症を持っている方では、通常の手術同様に手術の危険性が高まりますので、主治医と良く相談なさってください。 -
ロボット手術を受けると、どのくらいで日常生活に戻れますか?
開腹手術に比べ、腹腔鏡手術であるロボット手術は手術の負担が軽度です。
このため手術後の回復も早く、退院後より早期に日常生活に戻れる方が多いでしょう。術後の回復は個人差もあり、術式にもよりますので、主治医と相談しながら日常生活に戻していくことが大切です。


Reservation
予約制・紹介制のご案内
地域の医療機関と連携を密に行い、医療機関やかかりつけ医の診療により、
がんの疑いやがんの診断を受けた方に紹介状を持参して受診頂くようお願いしております。
受診予約は、患者さんからの電話により受付けております。
担当者が通話により紹介状がお手元にあることを確認し、希望診療科等を伺いながら対応いたします。
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