平成28年度 神奈川県立がんセンター 病院指標

医療法における病院等の広告規制について（厚生労働省）
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  3. 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  7. その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～
患者数 - 36 167 318 803 1392 3106 3215 964 26
【定義】
10歳刻みの年齢階級別患者数で、90歳以上は１つの階級として設定しています。
年齢は、入院した時点での年齢で集計しています。

【解説】
当院は、都道府県がん診療連携拠点病院として、幅広い年齢層の患者さんに集学的治療を行っています。
平成28年４月から平成29年３月までに退院した患者さんのうち、60歳以上の患者さんが最も多く、全体の７割を占めています。
また、小児における悪性腫瘍の診療は神奈川県立こども医療センターで行っているため、患者数は０となっています。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 105 17.39 16.83 0.95 60.94
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等２４あり 副傷病なし 44 21.09 34.90 0.00 63.45
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等２３あり 副傷病なし 36 11.33 17.63 0.00 60.50
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等２３あり 34 21.29 36.08 2.94 59.56
130030xx99x00x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 26 9.08 10.71 3.85 65.35
腫瘍内科では、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、および化学療法が行われる固形癌（進行・再発大腸癌、神経内分泌癌、原発不明癌、悪性黒色腫、甲状腺癌など）の患者さんを対象に診療しています。
悪性リンパ腫で化学療法を受けられた患者さんが多く、リツキシマブ併用CHOP療法が大半を占めています。
1位のDPCコードは、前年度に比べて16人増えています。
骨軟部腫瘍外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
070041xx01x0xx 軟部の悪性腫瘍（脊髄を除く。） 四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術 手術・処置等２なし 52 14.65 19.53 1.92 65.10
070041xx99x3xx 軟部の悪性腫瘍（脊髄を除く。） 手術なし 手術・処置等２３あり 36 9.11 10.19 0.00 47.06
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍（脊椎脊髄を除く。） 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等１なし 副傷病なし 33 7.52 5.94 0.00 48.42
070041xx99x0xx 軟部の悪性腫瘍（脊髄を除く。） 手術なし 手術・処置等２なし 21 4.86 8.46 0.00 52.05
070040xx99x0xx 骨の悪性腫瘍（脊椎を除く。） 手術なし 手術・処置等２なし 14 4.43 13.23 0.00 59.71
悪性軟部腫瘍の患者さんで四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術を患者さんが最も多く、当院の平均在院日数は全国平均と比べ５日程度短いです。
これは術後の合併症（感染症等）を発症することがほとんどなく退院できていると考えられます。
２番目に悪性軟部腫瘍で化学療法を受けられた患者さんが多く、３番目は良性の軟部腫瘍で手術を受けられた患者さんが続きます。
４番目、５番目に多いDPCコードにつきましては、いずれも生検を受けられた患者さんのデータとなります。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx05xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術（一連につき）　乳房（再建手術）の場合等 18 4.06 7.91 0.00 47.78
180040xx97x0xx 手術・処置等の合併症 その他の手術あり 手術・処置等２なし 13 4.31 15.58 0.00 45.38
080005xx01x0xx 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等２なし - - 14.87 - -
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍（黒色腫以外） 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等２なし - - 8.78 - -
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術　腹壁瘢痕ヘルニア等 - - 8.57 - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
乳がんの術後再建手術を受けられる患者さんが多く、全国平均と比べ短期間で退院されています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等２なし 副傷病なし 30 15.80 22.47 10.00 56.13
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等２３あり 12 29.42 36.08 0.00 62.92
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等２３あり 副傷病なし - - 17.63 - -
010010xx99000x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 11.54 - -
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 7.12 - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
脳神経外科では、脳原発性腫瘍（悪性星細胞腫、膠芽腫、脳原発悪性リンパ腫等）ならびに転移性脳腫瘍の患者さんを対象に診療しています。
頭蓋内腫瘍摘出術を受けられた患者さんが多く、全国平均と比べ短期間で退院されています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等２なし 397 9.86 12.73 0.25 67.35
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 14.83 - -
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術・処置等２なし - - 11.61 - -
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり - - 9.15 - -
040150xx97x00x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 31.34 - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
呼吸器外科では主に肺がんの外科治療が行われ、神奈川県内屈指の手術件数を誇る病院です。
胸腔鏡を併用した手術が最も多く、術後の患者さんの負担を軽減するよう心がけていますので、術後7～8日という短い期間で退院されています。
頭頚部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx99x3xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２３あり 47 54.89 37.93 0.00 65.87
03001xxx97x00x 頭頸部悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等２なし 副傷病なし 46 7.67 10.28 0.00 63.26
03001xxx01000x 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 36 11.58 14.06 0.00 66.94
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 22 7.18 7.75 0.00 56.55
03001xxx99x00x 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 14 13.36 13.57 7.14 70.29
頭頚部外科では頭頚部がん（口腔、咽頭、喉頭、上顎洞、鼻腔、副鼻腔、唾液腺、聴器及び原発不明の頸部リンパ節転移等）の患者さんを対象に診療しています。
臓器温存、機能温存治療を大切にしているために、進行がんには化学放射線同時併用療法を受けられた患者さんの割合が多く平均在院期間が長くなっています。手術は機能温存手術が多くなっています。
放射線腫瘍科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２２あり 40 3.48 6.56 0.00 62.60
患者数が10未満の数値は「－」としています。
放射線腫瘍科は、各臓器別診療科と連携しながら、ほぼすべてのがんに対して放射線治療を担当しています。
甲状腺がんの一部の乳頭がんまたは濾胞がんでは、アイソトープを用いた内用療法の一つであるＩ131内用療法を行います。クリニカルパスを導入していることから概ね３日間で退院しております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術　経尿道的手術 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 89 7.71 7.44 1.12 73.80
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術　経尿道的手術 手術・処置等１なし 手術・処置等２２あり 副傷病なし 77 6.84 7.85 0.00 72.66
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等２２あり 副傷病なし 70 10.94 11.72 0.00 69.10
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等２なし 46 11.85 13.39 2.17 68.87
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎（尿管）悪性腫瘍手術等 手術・処置等２なし 36 10.14 12.52 0.00 68.58
泌尿器科は尿路（腎臓～尿道）、生殖器（精巣、前立腺など）における悪性腫瘍の診療を担当しており、前立腺癌及び膀胱癌の患者さんが多いのが特徴です。
その中で膀胱癌で経尿道的手術（TUR-Bt）を受けられた患者さんが最も多く、クリニカルパスの導入により入院期間は概ね１週間です。
また、４番目に多い前立腺悪性腫瘍手術を受けられた患者さんは、ほぼすべて侵襲の少ない腹腔鏡下で手術を行っており、当院の平均在院日数は全国と比べて２日程度短いです。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等２なし 126 14.38 13.29 0.79 55.50
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 89 5.67 5.12 0.00 60.42
12002xxx99x30x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２３あり 副傷病なし 66 19.29 20.81 0.00 48.50
120010xx99x40x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 40 3.53 4.84 0.00 61.85
120010xx01x0xx 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 子宮附属器悪性腫瘍手術（両側）等 手術・処置等２なし 39 13.41 13.58 0.00 58.72
婦人科は、女性生殖器に発生する悪性腫瘍（主に子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌、外陰癌、腟癌、腹膜癌）の患者さんを対象に診療しています。
子宮頸癌または子宮体癌で手術を受けられた患者さんが多く、術式（単純子宮全摘術、単純子宮全摘術＋リンパ節郭清、広汎子宮全摘術等）によって、在院日数に多少のバラつきがありますが、概ね２週間で退院されています。次いで、子宮頸癌で抗癌剤治療を受けられた患者さんが多くなっています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 172 8.12 12.35 0.00 65.18
040040xx9909xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２９あり 158 5.33 10.76 0.00 65.79
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２８あり 118 6.10 12.01 0.00 66.92
040010xx99x3xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２３あり 117 7.07 11.76 0.00 68.36
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２５あり 94 8.81 19.24 0.00 67.30
呼吸器内科では、肺がん、胸腺腫などの縦隔腫瘍、胸膜中皮腫など胸郭内に発生した悪性腫瘍の患者さんを対象に、その診断と化学療法、分子標的治療、放射線治療を含めた治療を行っています。
肺がんでは、「ROS1 融合遺伝子」、「ALK 融合遺伝子」、「EGFR 遺伝子変異」などのさまざまな遺伝子変異のタイプが存在することが分かっており、これらの遺伝子変異をターゲットとした治療が行えるようになりました。
当科では、治療前に遺伝子異常を含めた診断を行い、患者さんや家族に十分に情報を提供し、選択肢を提示して説明をしたうえで治療を行っています。
H28年度は、肺がんでオプジーボ注、デカドロン＋ナベルビン＋ブリプラチン療法、ベプシド＋パラプラチン療法を含んだ化学療法を受けられた患者さんが最も多く、2番目にアバスチン注、３番目にアリムタ注を使った化学療法を行っており、いずれも全国平均よりも短い入院期間となっています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等２２あり 88 33.36 41.96 0.00 47.13
130010xx99x2xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等２２あり 25 11.76 13.96 0.00 31.60
130010xx99x0xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等２なし 13 7.38 8.26 0.00 53.31
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等２４あり 12 10.50 10.82 0.00 71.42
130010xx99x6xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等２６あり - - 22.40 - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
血液内科では、血液の病気の中で、主に白血病及び骨髄異形成症候群の患者さんを対象に診療しています。
急性白血病の患者さんが最も多いのが特徴です。また同種造血幹細胞移植を積極的に行っており、年間60件程度実施しておりますが、ＤＰＣ対象外のため患者数には反映されておりません。
消化器内科（消化管）
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等２なし 188 7.88 9.02 0.00 73.65
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍（頸部を含む。） 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 157 8.07 9.82 0.64 69.31
060010xx02x00x 食道の悪性腫瘍（頸部を含む。） 内視鏡的食道粘膜切除術等 手術・処置等２なし 副傷病なし 80 8.29 9.91 0.00 72.93
060020xx99x6xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２６あり 72 5.49 6.41 0.00 68.14
060010xx99x30x 食道の悪性腫瘍（頸部を含む。） 手術なし 手術・処置等２３あり 副傷病なし 69 8.87 20.92 0.00 67.90
消化器内科消化管では、主に胃癌、食道癌、大腸癌の内科的治療を担当しています。
早期胃癌で、内視鏡的粘膜下層剥離術を受けられた患者さんが最も多く、がん治療ガイドライン病変だけでなく適応拡大病変にも対応しています。
次に、食道癌で化学療法、内視鏡手術を受けられる患者さんが多く、いづれも全国平均より短い入院期間で退院しています。
消化器内科（肝胆膵）
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍（続発性を含む。） その他の手術あり 手術・処置等２なし 215 7.42 11.74 0.47 72.50
06007xxx99000x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 181 4.56 10.41 1.66 69.10
060340xx03x00x 胆管（肝内外）結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等２なし 副傷病なし 167 5.07 11.06 0.00 70.86
060050xx99x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍（続発性を含む。） 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 155 4.19 10.33 1.29 67.77
06007xxx9906xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２６あり 118 3.81 12.36 0.00 67.48
消化器内科肝胆膵では、肝臓、胆道、膵臓領域の腫瘍の患者さんを対象に、非開腹治療を短い入院期間で行っています。
肝動脈塞栓術（TACE／TAE）、次いで肝生検を受けられた患者さんが多いのが特徴です。近年では超早期診断された肝がん病変の評価、あるいは転移性肝がん例の診断目的（肝生検）が増えています。胆管狭窄や胆管炎を発症し内視鏡手術を受けた患者さんの入院も多くなっておりますが、いずれも全国平均より短い入院期間で退院しています。
消化器外科（胃食道）
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 胃切除術　悪性腫瘍手術等 手術・処置等２なし 124 13.97 17.65 0.81 67.81
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍（頸部を含む。） 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 65 9.95 9.82 1.54 69.49
060020xx01x0xx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術　悪性腫瘍手術等 手術・処置等２なし 46 16.83 20.58 2.17 69.07
060020xx99x00x 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 28 7.04 11.20 0.00 71.11
060020xx99x6xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２６あり 24 4.63 6.41 0.00 64.42
消化器外科胃食道では、主に胃癌及び食道癌の外科治療を担当しています。
早期胃癌に対しては、胃全摘、幽門側胃切除術ともに腹腔鏡手術を推奨しています。手術はすべて定型化しており、クリニカルパスを導入していることから入院期間は２週間程度です。
退院後も、きめ細かな栄養指導を行うことで、患者さんの回復をサポートしています。
2番目に多いのは、食道がんの手術の前に化学療法を行った患者さんです。
消化器外科（大腸）
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術　全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 84 15.85 15.92 1.19 69.40
060040xx02x00x 直腸肛門（直腸Ｓ状部から肛門）の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術　切除等 手術・処置等２なし 副傷病なし 66 17.47 17.98 0.00 64.09
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２６あり 副傷病なし 39 4.72 4.48 0.00 60.77
060040xx01x0xx 直腸肛門（直腸Ｓ状部から肛門）の悪性腫瘍 骨盤内臓全摘術等 手術・処置等２なし 25 29.12 29.30 0.00 67.56
060040xx03x00x 直腸肛門（直腸Ｓ状部から肛門）の悪性腫瘍 直腸腫瘍摘出術（ポリープ摘出を含む。）等 手術・処置等２なし 副傷病なし 18 12.56 12.88 0.00 63.17
消化器外科大腸では、大腸癌（結腸癌、直腸癌）、大腸癌肝転移の外科治療および進行再発大腸癌の化学療法など集学的治療を担当しています。
結腸切除術が最も多く、その次に直腸切除術が続き、ほぼ全国平均と同じ入院期間で退院されています。このデータはDPCコーデイングによる集計であり年間手術症例数は反映されていません。また３番目は、結腸癌でアバスチンによる化学療法を受けられた患者さんです。
消化器外科（肝胆膵）
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx0110xx 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術　血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 43 28.74 37.76 0.00 66.23
06007xxx0100xx 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術　血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 26 22.27 24.96 0.00 67.46
060050xx02x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍（続発性を含む。） 肝切除術　部分切除等 手術・処置等２なし 12 13.58 15.85 0.00 67.17
060060xx0210xx 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 膵頭部腫瘍切除術等 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 12 35.75 42.70 8.33 71.58
060340xx99x00x 胆管（肝内外）結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 12 6.42 9.93 0.00 76.00
消化器外科（肝胆膵）では、肝臓、胆道、膵臓領域の腫瘍の患者さんの外科治療を担当しています。
膵頭部がんの場合には膵頭十二指腸切除、膵体尾部がんの場合には膵体尾部切除が行われ、神奈川県内屈指の手術件数を誇る病院です。
特に膵頭部がんで手術を受けられた患者さんの平均在院日数（当院）は、全国平均よりも９日短い、およそ４週間の入院期間となっています。
また全国共通の集計方法で集計しているため反映されていないデータがありますが、平成28年度の実績は次のとおりです。
膵頭部腫瘍切除術 57件（リンパ節・神経叢郭清等を伴う場合；44件、血行再建を伴う場合；12件、膵頭十二指腸切除；１件）、膵全摘術；７件
膵体尾部切除術 29件（リンパ節・神経叢郭清等を伴う場合；24件、脾臓温存；２件、周辺臓器合併切除；３件）
乳腺内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術　乳房部分切除術（腋窩部郭清を伴わないもの） 手術・処置等２なし 200 5.69 6.59 0.00 60.31
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術　単純乳房切除術（乳腺全摘術）等 手術・処置等２なし 146 8.86 10.30 0.00 58.19
100020xx01x0xx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術　切除等 手術・処置等２なし 107 7.38 9.27 0.00 58.40
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術　乳房部分切除術（腋窩部郭清を伴うもの（内視鏡下によるものを含む。））等 手術・処置等２なし 82 10.67 11.57 0.00 61.41
090010xx99x6xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２６あり 48 2.90 4.56 0.00 59.69
乳腺内分泌外科は、主に乳がん及び甲状腺がんの診断から手術、薬物治療、緩和医療まで一貫した診療を行っています。
乳がんの乳房部分切除術が最も多く、その次に単純乳房切除術（乳腺全摘術）、甲状腺癌に対する悪性腫瘍手術が続きます。
いずれも、全国平均より短い入院期間で退院されています。
緩和ケア科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx99000x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 17 17.18 10.41 5.88 73.47
060050xx99x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍（続発性を含む。） 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 16 25.13 10.33 0.00 68.19
060020xx99x00x 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 13 26.92 11.20 0.00 73.62
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 10 17.50 14.83 0.00 74.20
060040xx99x00x 直腸肛門（直腸Ｓ状部から肛門）の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 9.45 - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
緩和ケア内科は、がんに伴う苦痛の軽減を目標に、『個々の患者さんがその人らしく生きること』を支える医療を提供しています。
緩和ケア病棟は、自宅療養では対処しきれないような重度な症状をお持ちの患者さんのための療養の場所となっています。
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準（※）		 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 282 62 42 217 36 126 1 7
大腸癌 86 32 120 144 52 173 1 6,7
乳癌 197 184 30 14 12 89 1 6,7
肺癌 251 94 202 237 30 433 1 6,7
肝癌 23 41 23 53 38 287 1 7
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
【定義】
病期分類とは、がんがどれくらい進行しているかを意味し、Stage IからStage IVまであり、Stage IVが最も進行していることになります。
「初発」とは、自施設でがんの診断、診断と初回治療、あるいは初回治療を実施した場合で、「再発」とは、自施設・他施設を問わずに初回治療が完了した後、自施設にて患者さんを診療した場合や、治療がん寛解後に再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合をいいます。
なお、初発として計上した患者さんは再発には計上していません。またStage０の患者さんは集計対象外のため計上していません。
※病期分類基準の１は、「UICC　TNM分類第７版」に基づいたものです。

【解説】
患者数が10未満の数値は「－」としています。
当院は、都道府県がん診療連携拠点病院として、悪性腫瘍の診断及び進行癌の集学的治療を行っておりますので、ステージも多岐に渡ります。
近年、StageⅣで紹介される患者さんが増えている傾向にあります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数		 平均年齢
軽症 17 10.06 54.82
中等症 33 13.94 69.94
重症 11 13.27 75.36
超重症 - - -
不明 - - -
【定義】
日常生活を送っている中で発症した市中肺炎のうち、入院契機病名および最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、急性気管支炎であり、さらにその中でもICD-10コードがJ13～J18で始まるものに限定しています。
重症度は市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム（A-DROPシステム）により分類しています。
≪A-DROPシステム≫
下記のうち1項目該当すれば重症度1、2項目該当すれば重症度2という方法で分類し、評価数値が高ければ重症となります。
1.男性70歳以上、女性75歳以上
2.BUN 21mg/dL以上又は脱水あり
3.酸素飽和度 90%以下
4.意識障害
5.収縮期血圧 90mmHg以下

【解説】
患者数が10未満の数値は「－」としています。
肺炎の重症度が高くなるにつれ高齢者が多く、在院日数が長くなる傾向にあります。
また当院は、肺炎の中でも医療介護関連肺炎が多いです。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患，詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
定義
DPCの最も医療資源を投入した傷病がMDC06の脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳卒中の続発症にあたる症例を対象に、ICD‐10の上３桁で集計しています。

解説
患者数が10未満の数値は「－」としています。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
腫瘍内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈，静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置（頭頸部その他に設置した場合） 17 1.59 4.82 0.00 65.41
K6261 リンパ節摘出術（長径３ｃｍ未満） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
患者数が10未満の数値は「－」としています。
腫瘍内科では、皮下埋め込み型ポートを設置し、抗癌剤や高カロリー輸液を投与する患者さんが多くみられます。皮下埋め込み型ポートの設置は、放射線診断・IVR科で実施しています。
次にリンパ節生検を目的としたリンパ節摘出手術を併診で行っています。
骨軟部腫瘍外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0311 四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術（肩，上腕，前腕，大腿，下腿，躯幹） 54 2.04 12.24 1.85 64.98
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術（肩，上腕，前腕，大腿，下腿，躯幹） 28 1.00 4.39 0.00 52.43
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈，静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置（頭頸部その他に設置した場合） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
K0302 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術（手，足） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
K0531 骨悪性腫瘍手術（肩甲骨，上腕，大腿） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
患者数が10未満の数値は「－」としています。
悪性軟部腫瘍手術が最も多く、次に軟部腫瘍摘出術が続きます。
術式ごとの主な部位の内訳は次のとおりです。
悪性軟部腫瘍手術は、躯幹 21件、大腿 18件、下腿 ７件、前腕 ６件、上腕 ２件であり、昨年度より合計で10件増えています。
軟部腫瘍摘出術は、躯幹 10件、大腿 ７件、肩 ５件、上腕 ３件、前腕 ２件、下腿 １件、手・足 ８件であり、昨年度より合計で４件増えています。
骨悪性腫瘍手術は、大腿 ６件、上腕 １件で、転移性骨腫瘍に対する手術がほとんどです。
骨軟部肉腫の治療は手術を中心に行い、抗がん剤による化学療法、放射線療法などを組み合わせて行います。その他境界領域（胸壁、後腹膜、皮膚）や頭頸部領域・婦人科領域の肉腫に対しては、その関連する診療科と連携して診療します。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術（乳房切除後） 25 1.00 2.00 0.00 46.80
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術（単純切除） 10 1.00 5.60 0.00 70.50
K0221 組織拡張器による再建手術（乳房（再建手術）） - - - - -
K0003ﾛ 創傷処理（筋肉、臓器に達するもの）（長径１０ｃｍ以上）（その他のもの） - - - - -
K0071 皮膚悪性腫瘍切除術（広汎切除） - - - - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
形成外科で行う手術は、がんの病巣を切除した後の修復や再建であり、手術によって失われた形態や機能を再獲得する手術です。
その中でも乳癌手術後の人工乳房による乳房再建手術を最も多く実施しており、術後２日程度で退院しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術（その他） 36 4.69 18.36 13.89 59.36
K147 穿頭術（トレパナチオン） - - - - -
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
K1742 水頭症手術（シャント手術） - - - - -
K1492 減圧開頭術（その他） - - - - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
頭蓋内腫瘍摘出術を最も多く実施しており、早期からリハビリテーションを行っています。
現在の医学水準では手術のみでの根治は困難であり、放射線療法、化学療法ならびに免疫療法を適宜組み合わせて、治療成績の向上を目指しています。継続したリハビリテーションが必要な患者さんについては、専門施設に転院されています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（肺葉切除又は１肺葉を超える） 230 1.81 8.01 0.43 68.67
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（部分切除） 68 1.71 4.43 0.00 65.40
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（区域切除） 59 1.85 7.17 0.00 68.24
K5132 胸腔鏡下肺切除術（その他） 18 1.33 5.11 0.00 59.11
K5146 肺悪性腫瘍手術（気管支形成を伴う肺切除） 17 2.24 11.53 0.00 66.00
胸腔鏡を併用した手術をメインで行っており、その中でも肺葉切除術が全体の６割を占めており、次に部分切除、区域切除が続きます。
当科では、それぞれの患者さんの状況にあった、最適で安全で良質な手術を提供しています。
技術と知識の向上のための不断の努力と、医療チームの密接な連携により、術後は概ね５～８日程度で退院されています。
頭頚部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K3932 喉頭腫瘍摘出術（直達鏡） 25 1.24 2.80 0.00 61.96
K386 気管切開術 18 0.61 41.61 0.00 66.06
K4151 舌悪性腫瘍手術（切除） 13 1.00 10.23 0.00 66.23
K4691 頸部郭清術（片） 10 1.20 6.30 0.00 66.00
K4571 耳下腺腫瘍摘出術（耳下腺浅葉摘出術） - - - - -
K4572 耳下腺腫瘍摘出術（耳下腺深葉摘出術） - - - - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
頭頚部外科は、頭頚部がん（口唇、口腔、咽頭、喉頭、上顎洞、鼻腔、副鼻腔、唾液腺等）の診断・治療を専門的に行っています。
私たちの治療のゴールは、単なる生存率の向上だけでなく、患者さんのQOL（Quality of Life:生活の質）の維持を目指しており、患者さん一人一人に合った治療方法（手術、化学療法と放射線治療の併用療法、分子標的薬剤と放射線治療の併用療法等）を選択します。
手術は、治療成績を損なわずにできるだけ機能を温存することに配慮しており、早期がんの患者さんには内視鏡手術を積極的に行っています。
当科では、喉頭腫瘍で生検目的で行う喉頭腫瘍摘出術（直達鏡）が最も多く、次いで腫瘍浸潤による呼吸困難で根治治療前に行う緊急気管切開術（在院期間は根治治療期間を合算）、舌悪性腫瘍手術が続きます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ﾛ 膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（その他のもの） 173 1.46 5.08 0.58 73.36
K773-2 腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術 54 2.06 7.44 0.00 71.81
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 46 1.46 9.39 2.17 68.87
K8034 膀胱悪性腫瘍手術（全摘（回腸又は結腸導管利用で尿路変更を行う）） 19 3.42 22.79 0.00 68.74
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 14 0.64 5.07 0.00 67.79
経尿道的膀胱悪性腫瘍手術（TUR-Bt）が最も多く、次いで腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術、腹腔鏡下前立腺全摘術が続きます。
前立腺全摘術は、腹腔鏡を導入したことでより正確な断端の同定が可能となりさらなる成績向上が期待でき、少ない合併症、癌に対する不安の解消、術後の適切なフォローなど、より安心で負担の少ない治療を心がけており、術後９日程度で退院されています。
また当科の膀胱悪性腫瘍手術（膀胱全摘術）は、県内、国内でもトップクラスの件数と良好な治療成績を誇っており、近隣の病院からの紹介も少なくありません。
膀胱を摘出した後の排尿を従来通りに保つための新膀胱造設術も取り入れており、術後３週間ほどで退院されています。

※全国共通の集計方法で集計しているため反映されていないデータがあり、実際の手術件数とは異なります。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K879 子宮悪性腫瘍手術 126 2.73 11.35 0.79 55.13
K867 子宮頸部（腟部）切除術 96 1.00 1.00 0.00 40.67
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術（両側） 43 2.70 11.86 0.00 58.91
K861 子宮内膜掻爬術 15 0.00 0.93 0.00 50.80
K877 子宮全摘術 12 2.58 7.83 0.00 56.50
子宮頸・体癌に対する子宮全摘術が最も多く、次いで子宮頚部円錐切除術、子宮附属器悪性腫瘍手術が続きます。
子宮頸癌では、子宮を摘出する手術が基本ですが、閉経前の方の0期やIa1期の初期の場合、子宮頚部の一部のみを切り取る子宮頚部円錐切除術が可能で、子宮本体が温存されますので、治療後に妊娠・出産が可能です。
消化器内科（消化管）
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層） 179 0.04 6.93 0.00 73.55
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 80 0.10 5.38 0.00 68.99
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 77 0.16 2.19 0.00 70.99
K526-22 内視鏡的食道粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術） 67 0.10 6.43 0.00 72.55
K6534 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（その他） 24 0.00 5.83 0.00 68.71
当科の早期胃癌に対する内視鏡治療（内視鏡的粘膜下層剥離術）は、がん治療ガイドライン病変だけでなく適応拡大病変にも対応しており、患者数が多いのが特徴です。
次いで、大腸粘膜下層剥離術（ESD）、大腸粘膜切除（EMR）、食道悪性腫瘍粘膜下層剥離術が多く、最近ではより大きな病変を切除する（ESD）（内視鏡的粘膜下層剥離術）が行われています。
消化器内科（肝胆膵）
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 298 0.47 5.75 0.34 71.06
K6152 血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）（選択的動脈化学塞栓術） 187 1.18 5.49 0.00 73.12
K697-31ﾛ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法（２ｃｍ以内のもの）（その他のもの） 49 0.92 4.98 0.00 74.04
K651 内視鏡的胃、十二指腸ステント留置術 40 4.85 11.33 0.00 71.55
K697-32ﾛ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法（２ｃｍを超えるもの）（その他のもの） 37 1.43 5.41 0.00 69.78
胆膵がん患者さんの多くが、内視鏡的胆道ステント留置術により黄疸を改善し、化学療法を導入しています。
肝がんの治療選択肢（切除、ラジオ波焼灼、血管塞栓術、全身化学療法、放射線）において、偏ることなく適切なものを患者さん毎に選択しています。
肝がんに対する肝動脈塞栓術は、新規塞栓剤マイクロスフェア（ビーズ）も導入し、従来のTACEに比べて副作用を減らしながらより高い効果が期待されます。肝がん、転移性肝がんに対するラジオ波焼灼療法（RFA）は、cone-beam CTを画像支援に用いる試みや、ガイドラインを超えた病変（穿刺治療の適応拡大）に対しても積極的に取り組んでおり、件数は増加しております。
消化器外科（胃食道）
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K655-22 腹腔鏡下胃切除術（悪性腫瘍手術） 74 3.49 8.22 0.00 66.96
K6552 胃切除術（悪性腫瘍手術） 45 3.69 11.27 2.22 69.20
K6572 胃全摘術（悪性腫瘍手術） 34 3.79 11.21 2.94 70.29
K5291 食道悪性腫瘍手術（消化管再建手術併施）（頸部、胸部、腹部の操作） 24 3.83 26.71 0.00 66.25
K636-4 腹腔鏡下試験切除術 20 2.90 4.15 0.00 68.85
早期胃癌に対しては、胃全摘、幽門側胃切除術ともに腹腔鏡手術を推奨しています。
患者さんに優しい腹腔鏡下胃切除術の資格（日本内視鏡外科学会技術認定医）を有する医師3名が、専門の医療工学技士及び看護師と連携し、腹腔鏡チームを作り手術を行っています。また当科では、ヨーロッパで標準的に行われている周術期管理のERAS（Enhanced Recovery After Surgery）プログラム をいち早く取り入れています。ERASプログラムとは、絶食期間をできるだけ短縮する／徹底的な除痛管理／早期離床を柱とした周術期管理で、より早い社会復帰が可能です。退院後は、管理栄養士による栄養指導外来により、手厚くサポートしています。

食道癌手術では、精度の高い手術と手厚い術後管理を行うとともに、術前化学療法と手術による治療成績の向上を目指しています。
食道癌手術の周術期管理では、術前から地区歯科医師会と連携した口腔ケアやエキスパート看護師による術前の呼吸訓練、管理栄養士による術前栄養サポート外来などを導入しています。術中・術後管理としては、早期経腸栄養・早期離床を基本としたmodified-ERAS プロトコールを用いた管理を実施しており、術後４週間で退院しています。
消化器外科（大腸）
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K7193 結腸切除術（全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術） 72 3.92 15.18 1.39 68.94
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 44 3.39 12.16 0.00 68.07
K7322 人工肛門閉鎖術（腸管切除を伴う） 25 2.52 9.84 0.00 64.28
K7404 直腸切除・切断術（切断術） 20 3.40 27.85 0.00 67.65
K7401 直腸切除・切断術（切除術） 19 2.84 14.32 0.00 64.21
DPCのデータを用いた手術件数の集計であり、大腸癌全手術症例は反映しておりません。
結腸切除術（開腹）が最も多く、次に腹腔鏡下結腸切除術、人工肛門閉鎖術が続きます。
近年、医療の発展とともに大腸がんに対する手術療法は変化しており、その代表的なものが、結腸がんを対象とした腹腔鏡手術です。
腹腔鏡手術対象の患者さんは比較的早期がんであり、術後10～13日程度で退院できています。開腹手術は比較的進行した癌や全身状態の不良な症例が対象となっているため、術後の退院日数が腹腔鏡手術より長くなっています。
肝胆膵外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K7032 膵頭部腫瘍切除術（リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術の場合又は十二指腸温存膵頭切除術の場合） 44 3.75 26.89 2.44 68.48
K7022 膵体尾部腫瘍切除術（リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術） 24 2.96 19.04 0.00 68.50
K7034 膵頭部腫瘍切除術（血行再建を伴う腫瘍切除術） 12 2.42 36.33 0.00 72.92
K672 胆嚢摘出術 - - - - -
K6954 肝切除術（１区域切除（外側区域切除を除く）） - - - - -
患者数が10未満の数値は「－」としています。
K7032膵頭部腫瘍切除術（リンパ節・神経叢郭清等を伴う）が最も多く、その次にK7022膵体尾部切除術（リンパ節・神経叢郭清等を伴う）、K7034膵頭部腫瘍切除術（血行再建を伴う腫瘍切除術）が続きます。
当科の膵腫瘍の手術は、門脈に浸潤が見られる場合でも根治切除をめざして、門脈合併切除・再建を伴う手術を行っており、神奈川県内屈指の手術件数を誇る病院です。膵頭部がんの場合は膵頭十二指腸切除（亜全胃温存）、膵体尾部がんの場合は膵体尾部切除を実施しています。
平成28年度の実績は次のとおりです。（※全国共通の集計方法で集計しているため反映されていないデータがあります。）
膵頭部腫瘍切除術 57件（リンパ節・神経叢郭清等を伴う場合；44件、血行再建を伴う場合；12件、膵頭十二指腸切除；１件）、膵全摘術；７件
膵体尾部切除術 29件（リンパ節・神経叢郭清等を伴う場合；24件、脾臓温存；２件、周辺臓器合併切除；３件）
５番目に多い肝切除術は、肝臓の機能を考慮して、過不足ない切除を目指しています。
乳腺内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術（乳房部分切除術（腋窩部郭清を伴わない）） 202 2.06 2.62 0.00 60.22
K4763 乳腺悪性腫瘍手術（乳房切除術（腋窩部郭清を伴わない）） 119 2.19 5.45 0.00 61.32
K4765 乳腺悪性腫瘍手術（乳房切除術・胸筋切除を併施しない） 64 2.14 8.70 0.00 62.41
K4632 甲状腺悪性腫瘍手術（全摘及び亜全摘） 61 1.90 6.13 0.00 61.25
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術（切除） 44 1.75 3.73 0.00 54.14
乳腺悪性腫瘍手術が最も多く、次に甲状腺悪性腫瘍手術が続きます。
乳がんで手術を受けられる全ての患者さんに術前からリハビリテーションを行っており、QOL（Quality of Life:生活の質）の維持に努めています。
術式によって異なりますが術後３～７日程度で退院できています。
甲状腺がんで手術を受けられる患者さんは、年々増え続けています。
難治性の甲状腺がんが増えており、手術内容は縦隔郭清や他臓器合併切除などの拡大手術の比率が高くなっています。
甲状腺癌では、難治性の甲状腺癌の比率が多くなっており、時に声の神経（反回神経）が腫瘍に巻き込まれていることもありますが、形成外科と連携し神経の再建に努めております。術式によって異なりますが、術後３～７日程度で退院できています。
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 11 0.11
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 36 0.36
異なる -
定義
最も医療資源を投入した傷病名が「播種性血管内凝固」、「敗血症」、「その他の真菌症」、「手術・術後の合併症」について患者数をカウントし、全患者に対する発症率を算出しています。

解説
患者数が10未満の数値は「－」としています。
敗血症（DPC；180010）は、悪性腫瘍等の治療経過中に免疫不全状態から合併することが多い病態で、当院では、入院経過中に発症される例とともに、外来化学療法等の治療をしていく中で発症し入院する例がほとんどです。
手術・処置等の合併症（DPC；180040）については、これらの合併症を主訴として入院される症例が多い傾向にあります。
当院としても手術・処置後の合併症を起こさないよう細心の注意を払っていますが、起こり得る合併症につきましては、患者さんや家族に説明にしたうえで治療しています。
更新履歴
2017/9/25
病院指標を公開しました。