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緩和ケア病棟 終末期医療に関する指針

 いかなる医療の効果も期待できず、余命が数か月以内と判断される時期を、医学的に終末期と呼んでいます。しかしながら、生と死を巡る問題とその対処方法については、いまだ国民全体でのコンセンサス(合意)が明確には確立されていません。
 ここに、神奈川県立がんセンターの基本指針を定め、運用を開始しますが、時代の変化、県民の意識変化に対応するため、今後、必要に応じて検討会議で討議し、時代に即したものに変更していきます。

終末期の確認と方針の選択・決定

 終末期の判断は、患者さんの状態を踏まえて医学的妥当性と適切性をもとに医師・看護師等多職種からなる医療・ケアチームが判断します。家族へは看護師等の同席のもとに慎重に伝えられる必要があります。終末期の理解と向かい合い方は、患者さん、家族の人生観、病気の捉え方、社会的な背景等の中で形成されるものであり、こうした患者背景を踏まえ伝えていくことになります。
 患者背景を的確に捉え、伝え方を選び、適切な支援に結びつけていくため、医療・ケアチームの力が生かされます。判断に迷うとき、患者さん、家族の意思決定が遅れるとき、チームの力を借りながら時間をかける必要があります。
 終末期医療のあり方は、適切な情報提供と説明に基づいて、

  1. 患者さんの意思が確認できる場合には、患者さんが医療・ケアチームと話し合い、患者さんの意思決定を基本とします。決定内容は文書にまとめる必要があります。患者さんが拒まない限り、合意内容を家族に知らせることが望まれます。
  2. 患者さんの意思が確認できない場合には、以下の手順で医療・ケアチームが慎重に判断しなければなりません。
    1. 家族が患者さんの意思を推定できる場合は、推定意思を尊重し、患者さんにとって最善と思われる治療方針をとります。
    2. 家族が患者さんの意思を推定できない場合は、家族と話し合い、患者さんにとって最善と思われる治療方針をとります。
    3. 家族がいない場合や家族が判断を医療・ケアチームに委ねる場合は、医療・ケアチームが慎重に判断し、患者さんにとって最善と思われる治療方針をとります。
  3. 医療・ケアチームでの医療内容が決定できない場合、患者さんとの話し合いで適切な医療内容について合意が得られない場合、家族間の意見がまとまらない場合や家族との話し合いがまとまらない場合は、倫理委員会を開催し、倫理委員会の検討・助言に委ねます。

 患者さんあるいは家族の意思は、状況により変化することを念頭に置き、説明と意思確認は、繰り返し行うことが必要です。その後の医療内容の選択、決定に際しては、患者さんあるいは家族の意思を踏まえて患者さん、家族と医療・ケアチームによって慎重に進められなければなりません。説明や選択の過程は、その都度記録に残すことが必要です。

苦痛の緩和

 医療・ケアチームは、痛みや不快な症状を可能な限り緩和し、患者・家族の総合的な医療やケアを行うことが求められます。苦痛の緩和に対しては、別に定める「疼痛緩和マニュアル」に基づき対処します。苦痛緩和困難症例に対しては、病棟のスタッフのみならず、麻酔科、精神科、緩和ケアチームなどのアドバイスを得ることが望まれます。

延命処置とリビングウイル(尊厳死宣言)

 患者さんが、何らかの方法で過剰な延命治療や処置を望んでいないことを申し出ているときは、可能な限り書面で記録を残し、希望に沿った医療を提供するよう努力しなければなりません。その際には、家族の同意を確認することが望まれます。
 ただし、終末期に限らず患者さんの気持ちは常に変化しがちであることを念頭に置き、くり返し意思の確認を行うように努める必要があります。
 当センターでは、現在のところ積極的安楽死は容認されません。患者さん・家族から特別に強い希望がある際は、倫理委員会に対し判断を仰ぐ必要があります。

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