医療関係者の方へ

治療対象部位 肝臓

 

肝細胞癌

項 目 内 容
研究課題名 肝細胞癌に対する炭素イオン線治療の第II相臨床試験
研究の目的 神奈川県立がんセンターにおいて炭素イオン線治療を受ける肝細胞癌患者を対象に,効果および安全性を評価する。
主要評価項目 局所制御割合(3年局所制御割合)
副次的評価項目
  1. 原病生存期間(3年原病生存割合)
  2. 全生存期間(3年全生存割合)
  3. 有害事象発生割合
  4. 放射線肝障害(Radiation induced liver disease: RILD)の発生割合
対象患者 肝細胞癌と診断され、他臓器に遠隔転移の無い症例
選択基準
  1. 登録前検査にて行ったヨード造影剤急速静注法を用いた肝dynamic CTまたはガドリニウム造影剤を用いた肝dynamic MRIにて早期相で高吸収域,後期相で低吸収域に描出され、臨床的に肝細胞癌と診断される。または、組織学的に肝細胞癌と診断されている。
  2. 当該病変に対する放射線治療歴がない。
  3. 肝外病変を伴わない単発の肝細胞癌、または当該病変以外の病変が制御されている肝細胞癌である。
  4. 画像診断で測定可能な病変である。
  5. 門脈本幹、総胆管もしくは下大静脈への浸潤がない。
  6. 同意日の年齢が20歳以上である。
  7. 登録前の全身状態(ECOG performance status)が0~2である。
  8. 登録前検査にてChild-Pugh分類がAまたはB(9点以下)である。
  9. コントロール不良な胸水または腹水がない。
  10. 登録前14日以内の最新の検査値が以下のすべてを満たす。
    ① 白血球数:1,500 /mm3以上,かつ10,000 /mm3以下
    ② 血小板数:30,000 /mm3以上
    ③ ヘモグロビン:7.0 g/dL以上
    ④ 血清総ビリルビン値:3.0 mg/dL以下
  11. 試験参加について患者本人から文書で同意が得られている。
除外基準
  1. 登録時に活動性の重複がんを有する(同時性重複がん/多発がんおよび無病期間が5年以内の異時性重複がん/多発がん。ただし局所治療により治癒と判断されるCarcinoma in situ(上皮内癌)や粘膜内癌相当の病変は活動性の重複がんに含めない)。
  2. 当該部位に放射線照射歴がある。
  3. 治療を要する胃・食道静脈瘤を有する。
  4. 登録時に腫瘍熱以外の38度以上の発熱を有する、または全身的治療を要する感染症を有する。
  5. 妊娠中、妊娠の可能性がある、産後28日以内、授乳中のいずれかに該当する女性。
  6. 登録時に精神疾患・コントロール不良の心疾患・高度の肺疾患などを合併し,本臨床試験の実施が困難と判断される。
  7. その他、担当医師の判断により対象として不適当と判断される。
炭素イオン線治療方法 炭素イオン線治療は、医用重粒子加速器および照射装置を用い1日1回、以下の線量分割で行う。
1回24.0Gy(RBE)、合計2回、総線量48.0Gy(RBE)、または60Gy(RBE)/4回を用いる。
併用療法・支持療法 規定しない

 ※ 圧迫法を用いることにより、呼吸性移動が小さくなる腫瘍のみ、現在対象としています。

 

複数病巣または合併症を有する肝細胞癌

項 目 内 容
研究課題名 複数病巣または合併症を有する肝細胞癌症例に対する重粒子線治療の第II相臨床試験
研究の目的 神奈川県立がんセンターにおいて炭素イオン線治療を受ける肝細胞癌患者を対象に,効果および安全性を評価する。
主要評価項目 局所制御割合(3年局所制御割合)
副次的評価項目
  1. 原病生存期間(3年原病生存割合)
  2. 全生存期間(3年全生存割合)
  3. 有害事象発生割合
  4. 放射線肝障害(Radiation induced liver disease: RILD)の発生割合
対象患者 肝細胞癌と診断され、他臓器に遠隔転移の無い症例
選択基準
  1. 登録前検査にて行ったヨード造影剤急速静注法を用いた肝dynamic CTまたはガドリニウム造影剤を用いた肝dynamic MRIにて早期相で高吸収域,後期相で低吸収域に描出され、臨床的に肝細胞癌と診断される。または、組織学的に肝細胞癌と診断されている。
  2. 制御されていない肝内病変が3個以内の肝細胞癌である。
  3. 肝外病変を伴わない。但し、同一照射野で治療可能な近傍の病巣(肝門部リンパ節、腹腔リンパ節など)を有する場合は治療対象に含まれる。
  4. 画像診断で測定可能な病変である。
  5. 門脈本幹、総胆管もしくは下大静脈への浸潤がない。
  6. 同意日の年齢が20歳以上である。
  7. 登録前の全身状態(ECOG performance status)が0~2である。
  8. 登録前検査にてChild-Pugh分類がAまたはB(9点以下)である。
  9. コントロール不良な胸水または腹水がない。
  10. 登録前14日以内の最新の検査値が以下のすべてを満たす。
    ① 白血球数:1,500 /mm3以上,かつ10,000 /mm3以下
    ② 血小板数:30,000 /mm3以上
    ③ ヘモグロビン:7.0 g/dL以上
    ④ 血清総ビリルビン値:3.0 mg/dL以下
  11. 治療によって予後の改善または症状の改善が見込まれる。
  12. 当院で実施中の重粒子線治療を伴う他の臨床試験の適格基準に該当しない。
  13. 試験参加について患者本人から文書で同意が得られている。
除外基準
  1. 原疾患(肝細胞癌)の治療に関わらず生命予後が1年以内と考えられる。
  2. 当該部位に放射線照射歴がある。
  3. 治療を要する胃・食道静脈瘤を有する。
  4. 登録時に腫瘍熱以外の38度以上の発熱を有する、または全身的治療を要する感染症を有する。
  5. 妊娠中、妊娠の可能性がある、産後28日以内、授乳中のいずれかに該当する女性。
  6. 登録時に精神疾患・コントロール不良の心疾患・高度の肺疾患などを合併し,本臨床試験の実施が困難と判断される。
  7. その他、担当医師の判断により対象として不適当と判断される。
炭素イオン線治療方法 炭素イオン線治療は、医用重粒子加速器および照射装置を用い1日1回、以下の線量分割で行う。
1回24.0Gy(RBE)、合計2回、総線量48.0Gy(RBE)、または60Gy(RBE)/4回を用いる。
併用療法・支持療法 規定しない

 

切除不能、局所療法不適の肝細胞癌(J-CROS1505)

項 目 内 容
研究課題名 切除不能、局所療法不適の肝細胞癌に対する重粒子線治療の多施設共同臨床試験
研究概要・目的 根治切除不能かつ穿刺局所療法不適の肝細胞癌患者に対する重粒子線治療の有効性と安全性を多施設共同臨床試験にて評価する。
研究デザイン 非ランダム化、単アーム、多施設共同
主要評価項目 全生存期間(3年全生存割合)
副次的評価項目 無増悪生存期間(3年無増悪生存割合)
局所無増悪生存期間(3年局所無増悪生存割合)
有害事象発生割合
放射線肝障害(Radiation induced liver disease;RILD(注))の発生割合
(注)4か月以内の非黄疸性の腹水貯留またはGrade3以上のトランスアミナーゼ値上昇。
有害事象のGradeは「有害事象共通用語規準ver4.03日本語訳JCOG/JSCO 版」により評価する。
対象患者 根治切除不能かつ穿刺局所療法不適の肝細胞癌患者
適格基準
  1. 登録前28日以内に行ったヨード造影剤急速静注法を用いた肝dynamic CTまたはガドリニウム造影剤を用いた肝dynamic MRIにて早期相で高吸収域、後期相で低吸収域に描出され、臨床的に肝細胞癌と診断される。または、組織学的に肝細胞癌と診断されている。
  2. 初発の肝細胞癌で当該病変に対する治療歴がない。
  3. 登録前28日以内に行った胸腹部CTで肝外病変を伴わない単発の肝細胞癌と診断されている。
  4. 登録前28日以内に行った肝dynamic CTまたは肝dynamic MRIで測定可能な病変があり、横断画像で最大径が12cm以下である。
  5. 門脈および胆管一次分枝もしくは下大静脈への浸潤がない。
  6. 腫瘍の辺縁が消化管と接していない。
  7. 肝切除および肝移植の適応外、もしくはICG R15分値、アシアロシンチ、CT volumetry法の少なくとも1つの結果に基づいて肝切除に伴う肝機能喪失が状態を悪化させると判断されている(注1)。
  8. 穿刺局所療法が不適である(注2)。
  9. 登録前14日以内の全身状態(ECOG performance status【付録1】)が0~2である。
  10. 登録前14日以内のChild-Pugh分類がAである。
  11. 登録前28日以内にコントロール不良な胸水または腹水がない。
  12. 登録前14日以内の最新の検査値が以下のすべてを満たす。
     ①白血球数:1,500 /mm³以上、かつ10,000 /mm³以下
     ②血小板数:30,000 /mm³以上
     ③ヘモグロビン:7.0 g/dL以上
     ④血清総ビリルビン値:3.0 mg/dL以下
     ⑤GOT(AST):施設基準値上限5倍未満
     ⑥GPT(ALT):施設基準値上限5倍未満
  13. 同意日の年齢が20歳以上である。
  14. 研究参加について患者本人が十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人から文書で同意が得られている。
(注1)同意取得前、キャンサーボードでの適応検討を必須とする。
(注2)同意取得前、キャンサーボードでの適応検討により、穿刺局所療法が技術的に困難もしくは脈管近接などの解剖学的理由や基礎疾患のため高リスクと判断されている。
なお、キャンサーボードに関しては、以下を規定する。
  1. 日本消化器外科学会専門医で肝臓がん外科治療の実績を持つもの(肝切除50件以上)が参加している。
  2. 日本肝臓学会肝臓専門医、又は日本IVR学会専門医、又は放射線診断専門医で肝臓がんのIVR治療の実績を持つもの(肝臓がんIVR治療50件以上)が参加している。
  3. 日本放射線腫瘍学会又は日本放射線医学学会の放射線治療専門医が参加している。
除外基準
  1. 登録時に活動性の重複がんを有する(同時性重複がん/多発がんおよび無病期間が5年以内の異時性重複がん/多発がん。ただし局所治療により治癒と判断されるCarcinoma in situ(上皮内癌)や粘膜内癌相当の病変は活動性の重複がんに含めない)。
  2. 登録前28日以内に破裂のおそれのある食道静脈瘤もしくは胃静脈瘤を有する。
  3. 登録時に全身的治療を要する感染症を有する。
  4. 登録時に38度以上の発熱を有する。
  5. 登録前6か月以内に心筋梗塞または不安定狭心症と診断されている。
  6. 登録時に間質性肺炎、肺線維症、高度の肺気腫のいずれか、もしくは複数を合併する。
  7. 登録時に放射線過敏症を有する。
  8. 登録時に精神病または精神症状を合併し、本臨床試験の実施が困難と判断される。
  9. 妊娠中、妊娠の可能性がある、産後28日以内、授乳中のいずれかに該当する女性。
  10. その他、臨床研究責任医師または臨床研究分担医師の判断により対象として不適当と判断される。
プロトコール治療 重粒子線治療は、医用重粒子加速器および照射装置を用い1日1回、以下の線量分割で行う。
1回15.0Gy(RBE)、合計4回、総線量60.0Gy(RBE)(週4回法)
ただし、門脈一次分枝、門脈本幹、消化管の少なくとも1つと主病変との距離が10mm以下の場合は以下の線量分割を用いることも許容する。
1回5.0Gy(RBE)、合計12回、総線量60.0Gy(RBE) (週4回法)
プロトコール治療の中止基準 以下のいずれかの場合、重粒子線治療を中止する。重粒子線治療中止後の治療は規定しない。
  1. 治療開始後に明らかな原病の増悪が認められた場合
  2. 有害事象により重粒子線治療が継続できない場合
    ①「NCI-CTCAE ver4.03 日本語訳JCOG/JSCO 版」におけるgrade4の有害事象が認められた場合
    ②毒性により重粒子線治療の休止期間が2週間を超えた場合
    ③その他、有害事象により臨床研究責任医師又は臨床研究分担医師が中止を要すると判断した場合
  3. 有害事象と関連する理由により、患者が重粒子線治療の中止を申し出た場合
  4. 有害事象と関連しない理由により、患者が重粒子線治療の中止を申し出た場合(本人の転居、転院等)
  5. 重粒子線治療中の死亡
  6. その他
    登録後治療開始前に増悪(急速な増悪により重粒子線治療が開始できなかった)した場合、登録後の病理診断変更などにより不適格性が判明した場合、など
併用療法・支持療法 併用療法
 規定しない。
支持療法
 あらゆる支持療法や合併症に対する治療は、これを許可する。ただし、使用している薬剤については治療中ならびに治療後の経過観察において、これを診療録に記録すること。
併用禁止薬・併用禁止療法
 プロトコール治療中は、分子標的薬を含む化学療法及び免疫療法の併用は認めない。また、重粒子線治療の照射範囲と重複する部位への放射線治療は認めない。
併用制限薬・併用制限療法
 規定しない。