病院のご案内
地域がん登録(神奈川県悪性新生物登録事業)

 神奈川県では、神奈川県医師会の協力のもとで、県内に発生したがん患者さんの情報を集めて定期的に集計をしています。これを「地域がん登録」と呼んでいます。がんセンターは、この事業の実施機関として集計・解析をおこなっています。集計された資料によって、毎年何人の県民の方が、男女別、年齢別に、どの臓器の「がん」になるのかがわかります。地域別にがん発生率を比較することによって環境汚染などによる発がん状況を詳しく監視することができます。また、「がん予防活動」や「県内のがん医療」の有効性の評価も可能となります。この資料は、1970年から蓄積されています。

神奈川県における癌の罹患(りかん)状況

 2009年(平成21年)の神奈川県地域がん登録で把握されたがんの患者さんは、男性が24,495人、女性17,399人でした。男性で最も多いのは胃がんであり、次いで肺がん、前立腺がん、結腸がん、直腸がん、肝・肝内胆管がんの順でした。女性では、乳がんが最も多く、次いで結腸がん、胃がん、肺がん、子宮がんの順でした。

悪性新生物部位別罹患の状況 - 平成21年 -

悪性新生物部位別罹患状況(男性)

順位 男性 人数
1 4,198
2 3,642
3 前立腺 3,162
4 結腸 2,745
5 直腸 1,572
6 肝・肝内胆管 1,436
7 膀胱 1,116
8 食道 1,109
9 930
10 口腔・咽頭 610
11 その他 3,975
  合計 24,495

悪性新生物部位別罹患状況(女性)

順位 女性 人数
1 乳房 3,815
2 結腸 2,229
3 1,876
4 1,588
5 子宮 1,329
6 直腸 871
7 754
8 肝・肝内胆管 680
9 卵巣 595
10 胆のう・胆管 494
11 その他 3,168
  合計 17,399

罹患率(人口10万人対)の年次推移

 罹患率(人口10万人当たり何人の方ががんになるのかの値)の年次推移をみてみますと、男女の胃がんや肝・肝内胆管がんが減少傾向にあります。男性の前立腺がん、女性の乳がんは著しく増加しています。
 (この罹患率は、各年の年齢構成を加味して計算しています)

年齢調整罹患率の年次推移

年齢調整罹患率の年次推移(男性)

年齢調整罹患率の年次推移(女性)

神奈川県のがん罹患者の5年生存率

 がん統計では、患者さんの臨床経過を示す資料として5年生存率を用いています。
 表は、神奈川県地域がん登録の資料中で平成11年から平成15年までの各年に届出されたがん患者さんの5年生存率です。
 生存率の高い部位は、前立腺(96.3%)、皮膚(93.5%)、甲状腺(90.7%)、乳房(90.2%)であり、逆に低いのは膵(8.7%)、肝のう・胆管(22.0%)です。
 (ここで計算した5年生存率は、正式には「5年相対生存率」と称されています)

生存率のお話し
 医療における治療の成績を見る場合、生存率で観察しています。
 生存率とは、同じ病気や同じ治療をした患者さんを一つのグループと考え、1年後、3年後、5年後、10年後に元気にしておられる患者さんの割合(パーセント)を示した数字で表します。例えば、「5年生存率が75%」というのは、5年後にお元気だった患者さんが最初の人数の75%で、治療から5年目までの間に亡くなられた患者さんが25%であったことを示しています。ここで用いました相対生存率とは、がん以外の病気や事故で死亡する確率を調整した生存率です。

部位別5年生存率

(単位:%)

部位 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年
全部位 58.0 59.7 61.2 61.8 62.0
口腔・咽頭 55.4 52.4 58.9 56.6 63.6
食道 34.4 32.2 36.7 38.5 36.5
57.3 60.3 62.1 61.0 61.8
結腸 75.0 74.7 74.6 73.7 74.3
直腸 68.3 68.9 67.0 70.1 69.6
肝・肝内胆管 24.7 26.5 25.6 29.1 28.8
胆のう・胆管 21.5 21.4 21.9 23.7 22.0
8.0 9.0 10.2 9.6 8.7
喉頭 63.8 82.6 70.1 78.6 76.2
26.9 28.0 29.4 28.7 30.5
57.5 61.0 68.3 40.9 41.6
皮膚 81.5 87.1 88.1 86.3 93.5
乳房 86.5 87.7 87.2 89.2 90.2
子宮 72.5 78.2 75.7 76.6 71.2
卵巣 59.5 56.6 57.2 59.8 59.3
前立腺 85.8 88.8 94.0 93.7 96.3
72.3 73.6 70.7 72.2 76.0
膀胱 78.2 76.3 79.2 82.1 81.3
26.0 33.1 24.8 30.3 23.4
甲状腺 89.2 87.9 86.0 90.7 90.7
白血病 34.7 34.3 36.8 39.4 33.1

(平成26年1月集計)

2025年には2.2倍のがんの患者が!

 神奈川県地域がん登録は1970年から開始され、これまでに約60万件のがん患者罹患データを蓄積しています。この資料より、がん患者の将来予測をしてみました。
 最初に、1970年の開始時点から1996年までの27年間を3年毎の9期に分け、それぞれの性別、主要部位別(全部位を含む)、年齢階級別(0-14、15-39、40-64、65+)罹患率を計算しました。そして、その資料をベースとして、直線回帰式を用いた外挿法によって1997年以降の性別、主要部位別、年齢階級別推計罹患率を推計し、厚生労働省の人口問題研究所が推計している神奈川県の2000、2005、2010、2015、2020、2025年の性別、年齢階級別人口に掛けることによって、それぞれの年の性別、主要部位別がん罹患数を予測しました。
 推計された全部位のがん患者数は、1995年の実測罹患数が23,000人(男13,500人、女9,500人)であったのが、2025年には51,000人(男31,000人、女20,000人)に増大することが推測されました。性別、主要部位別のがん患者予測数は図に示しています。ちなみに2025年の罹患順位をみますと、男では肺、結腸、肝臓の順となり、女では乳房、結腸、肺、肝臓の順となっています。逆に、子宮および胃の男女はいずれも患者数の減少が推測され、その他の部位は増加傾向を示していることが推測されました。
 今後の老人人口割合の増加程度によっては、がん患者数の増大に拍車がかかるのではないかとも思われます。このような予測のなか、将来を見据えたがん医療の在り方やがん対策の更なる充実を目指した活発な論議がなされることが望まれるところです。

神奈川県のがん患者数の将来推計

  • 節電のご協力ありがとうございました
  • No Smoking
  • がんセンター外観