診療科・各部門のご案内
乳腺内分泌外科 乳腺

診療のご案内

  • 私達は、乳がんの診断から手術、薬物治療、緩和医療まで一貫した治療を行なう事を目指しています。
  • 私達は、関連各診療科、看護部、薬剤部、事務部、病理診断部門、臨床検査部門、放射線診断部門、治験管理室、医療連携相談室等と密接に連携したチーム医療を心がけ、神奈川県内外の医療施設との連携も心がけています。
  • 私達の診療の原則は、各種ガイドラインであり、そのガイドラインをもとに患者さん、ご家族と十分に話し合って、その患者さんにとって最も良い治療法を模索していきます。
  • 私達は、新薬の開発治験に積極的に参加していきます。
  • 私達は、医師のみならず、各種医療職の教育に貢献し、神奈川県に優秀な人材を広く供給する事を目指します。
  • 私達は、患者会の活動を支援し、患者さん、一般人の正しい乳がん知識向上の啓蒙活動に参加していきます。
  • 私達は、数少ないstuffでがん診療に力を入れていますので、乳がん検診は行なっていません。ご了承ください。

乳がんについて

一般の方へ

 40才を過ぎたらMMG(マンモグラフィー)検診を受けましょう。もちろん、MMG検診で100%乳がんが発見できる訳ではありませんが、受けないより、受けた方が早期乳がんがたくさん発見できる事はまちがいありません。40才未満の方は自己検診で異常があったら乳がん検診を受けてください。

乳がんと診断された方へ

 日本乳癌学会が編集し金原出版が刊行している"患者さんのための乳がん診療ガイドライン"を一読する事をお勧めします。ガイドラインを勉強して貴女にあった治療を一緒に考えましょう。

乳がんが転移、再発したと診断された方へ

 転移した乳がんを根治させる事は難しいといわれています。がんによる症状や治療の副作用をできるだけ少なくして、体の中にがんがあっても、元気な生活が送れて、少しでも長生きできるように一緒に考え治療していきましょう。

乳腺内分泌外科 甲状腺

特色

 甲状腺癌を中心に外科的内分泌疾患の診断・治療を行なっています。甲状腺には多数の疾患が存在しいたします(後述の「甲状腺疾患の解説」を参照してください)。しかし外科的治療(手術)を必要とするものは当科を訪れる患者さん10~20%であり、他は外来で治療・経過観察を行うことになります。
 入院治療が必要な場合はQOLを重視した、手術療法を中心とした集学的療法を行なっておりますが、がんセンターということで難治性の甲状腺癌の比率が多くなっております。
 甲状腺癌では、時に声の神経(反回神経)が腫瘍に巻き込まれていることがありますが、形成外科の協力を得て神経の再建に努めております。病名告知はご本人、ご家族の希望によりますが、ほぼ100%です。
 甲状腺以外にも副甲状腺疾患や副腎疾患などの内分泌疾患のも取り扱っており、標準的な治療を行っております。

治療成績

 1990-2004年の甲状腺手術例数は920例で、内訳は乳頭癌411例、濾胞癌72例 髄様癌6例、未分化癌42例、悪性リンパ腫13例、良性腫瘍性疾患290例、バセドウ病その他86例です。ここ2-3年手術件数は甲状腺癌を中心に増加する傾向にあり年間約100例です。
 頻度の高い乳頭癌の手術に関しては、この癌の予後が良好であることより、声帯機能や上皮小体機能を出来るだけ温存することを心掛けています。しかし高齢者や男性例では、術後比較的早期に再発し未分化癌へ転化した症例も見られており、年齢や腫瘍進展度を考慮して治療方針を立てるようにしております。
 未分化癌の予後は非常に不良であり(平均生存期間7ヶ月)、集学的な治療を試みてきたが満足すべき結果は得られておりません。抗癌剤の動注療法など新たな試みを行い、出来るだけQOLを損なわない治療法を選択する様にしています。また最近この癌に対し新たな化学療法を試み、今までとは違った手ごたえを感じております。
 甲状腺濾胞性腫瘍は術前に良悪性の判定が困難な例もあり、悪性の可能性ある場合は手術をする様にしており、この場合患者さんの希望により内視鏡補助下の手術も行なっております(年間10例程度)。また嚢胞性の病変に対しては超音波下にエタノール注入療法(PEIT)を外来で行なっております。
 バセドウ病はなるべく手術をしない方針ですが、治療法として手術が最良と考えられる症例には手術を行なっております。
 悪性リンパ腫については診断が確定した時点で化学療法に治療をお願いしております。

 下の図は当センターにおける甲状腺分化癌(乳頭癌と濾胞癌)手術例の stage(UICC)別累積生存率です。

甲状腺分化癌(乳頭癌と濾胞癌)手術例の stage(UICC)別累積生存率

その他

甲状腺疾患の解説

 甲状腺は頚部前面で気管を取り囲むように存在する重さ20g程度の内分泌臓器であり、甲状腺ホルモンを合成・分泌しています。甲状腺ホルモンは身体の代謝を活発にする働きを担っております。この小さな臓器には実に様々な病気が存在いたしますが、ほとんどの病気は甲状腺が腫れ、甲状腺腫として触診で認識が可能です。甲状腺腫には甲状腺全体が腫大するび慢性甲状腺腫と甲状腺の一部が瘤状になる結節性甲状腺腫に分かれます。

甲状腺疾患の詳細解説

 甲状腺の主な疾患について簡単に説明いたします。

 I.び慢性甲状腺腫を呈するもの

  1. バセドウ
     甲状腺刺激抗体(TSHレセプター抗体)により甲状腺が刺激され甲状腺ホルモンが過剰に分泌するもので、甲状腺腫、甲状腺機能亢進症状(頻脈、体重減少、多汗、手指振戦)、眼症状(眼球突出)、限局性粘液水腫などの症状がみられます。治療法としては、抗甲状腺剤による薬物治療、アイソトープ治療、手術療法があります。
  2. 橋本病(慢性甲状腺炎)
     甲状腺内にリンパ球が浸潤し甲状腺か硬くび慢性に腫大するもので、バセドウ病と同様に自己免疫性疾患と考えられております。血中に抗マイクロゾーム抗体、抗サイログロブリン抗体などが見られ、典型例では甲状腺機能が低下し、全身のむくみや寒がりなどの機能低下症状を呈します。治療法として甲状腺ホルモン剤の補充が行われますが、時に一過性の機能亢進(急性増悪期、無痛性甲状腺炎)を起こすこともあり、バセドウ病との鑑別が必要となります。
  3. 単純性び漫性甲状腺腫
     単に甲状腺が大きく肥大した状態で他に症状は見られません。甲状腺ホルモン産生量の不足による代償性肥大とされています。

 II.結節性甲状腺腫

 A.良性腫瘍性疾患

  1. 濾胞腺腫
     表面平滑なを呈し、通常は単発性の結節として触れます。良性であり基本的には様子観察といたしますが、濾胞癌との鑑別が難しく増大傾向のあるもの、検査で悪性が否定できないものは手術を行います。
  2. 腺腫様甲状腺腫
     多結節性の変性疾患であり、典型的なものでは甲状腺のび漫性腫大に大小様々な結節が合併し、病理学的にはのう胞変性や過形成結節の像を呈します。様子観察で十分ですが、圧迫症状があるものや癌の合併が疑われるものについては手術を行うこともあります。甲状腺ホルモン剤の服用により縮小するものもあります。
  3. のう胞
     結節の内部に液体が溜まった状態で腺腫や腺腫様甲状腺腫がのう胞変性したものがほとんどです。大きなものでは針を刺し内容液の細胞診をした後、エタノールなどを注入して腫瘤を縮小させます。

 B.悪性腫瘍甲状腺癌

  1. 乳頭癌
     最も頻度が高い癌であり甲状腺の悪性腫瘍の90%を占めます。40-50歳代の女性に多く、進行はゆっくりであり、10年生存率95%以上と予後良好です。しかし周囲組織に癒着・浸潤する傾向があり反回神経(声帯を動かす神経)を巻き込んだり、気管、食道へ浸潤していることもあります。また頚部リンパへ転移し易く、リンパ転移で見つかることもあります。この癌に対する抗癌剤や放射線外照射の効果は限られたものであり、治療は基本的には手術です。触診では触れないような小さな乳頭癌は非常に多いですが、その殆どは一生そのままで増大しないことが指摘されております。超音波検査で見かった小さな乳頭癌については、手術せず様子観察だけ行うこともありますが、増大傾向があるものや神経や気管に浸潤する可能性のあるは手術をするようにしています。
  2. 濾胞癌
     悪性腫瘍の5-10%程度を占める癌であり、術前に濾胞線腫との鑑別が困難で濾胞癌疑いで手術を行い、病理検査で濾胞癌と確定診断されることが多い癌です。リンパ節転移はあまり起こしませんが、10-20%の症例が遠隔転移(骨転移が多い)を起します。予後は乳頭癌に比べやや不良です。
  3. 髄様癌
     甲状腺の傍濾胞細胞より発生する稀な癌であり、予後は良好ですが、散発性のものと遺伝性のものに分かれます。遺伝性のものは甲状腺全体に多発する傾向があり、また副腎褐色細胞腫や副甲状腺機能亢進を伴うことがあります。治療は手術ですが、術前に副腎褐色細胞腫が併発していないかを確認することが必要です。
  4. 未分化癌
     稀な癌でありますが、高齢者に多く非常に悪性度が高く予後不良な癌です。急速に腫大する甲状腺腫瘤により、呼吸困難を呈することもあり、約半数は既存の乳頭癌や濾胞癌が未分化癌に転化したものと考えられています。治療法は手術と抗癌剤、放射治療を組み合わせて行いますが、明らかに効果がある治療法がないのが現状です。
  5. 悪性リンパ腫
     甲状腺未分化癌同様高齢者に多く、甲状腺腫はやはり急速に増大し頚部圧迫症状を来たすようになります。橋本病から発症すること多いとされておりますが、稀な疾患です。多くは頚部だけに病変が限局しており、抗癌剤や放射線治療が効果的です。 10年生存率70-80%です。
  6. プランマー病
     結節性甲状腺腫が自律的にホルモンを産生するものであり、(甲状腺機能結節) 病理学的には濾胞腺腫や腺腫様甲状腺腫の像を呈します。明らかな甲状腺機能亢進症状を呈するものは手術の適応となりますが、経皮的エタノール療法も効果的です。
  7. 亜急性甲状腺炎
     有痛性の硬い結節を呈し、発熱を伴います。甲状腺のウイルス感染とされおり、風邪などの後に発病いたします。治療には消炎剤やステロイドホルモン剤がもちいられます。通常 3-6ヶ月で完治いたします。

 以上にあげた疾患のうち橋本病と腺腫様甲状腺腫は非常に多い疾患であり、日常診療でよく見受けられます。甲状腺疾患ではこれらの疾患に癌などが併発することが多く、診断を難しくしている傾向があります。

スタッフ紹介

診療医師名 認定資格
乳腺内分泌外科部長
 清水 哲
 横浜市立大学医学部 昭和52年卒
日本外科学会 外科専門医
日本乳癌学会 乳腺専門医
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会
 検診マンモグラフィ読影認定医
乳腺内分泌外科部長
 岩崎 博幸
 山形大学医学部 昭和58年卒
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本内分泌外科学会・甲状腺外科学会
 内分泌・甲状腺外科専門医
日本がん治療認定医機構 暫定教育医
乳腺内分泌外科医長
 稲葉 將陽
 島根医科大学 昭和62年卒
日本外科学会 外科専門医
日本乳癌学会 乳腺専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会
 検診マンモグラフィ読影認定医
乳腺内分泌外科医長
 吉田 達也
 自治医科大学 平成9年卒
日本外科学会 外科専門医
日本乳癌学会 認定医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会
 検診マンモグラフィ読影認定医
乳腺内分泌外科医長
 菅沼 伸康
 横浜市立大学医学部 平成10年卒
日本外科学会 外科専門医
日本乳癌学会 乳腺専門医
日本内分泌外科学会・甲状腺外科学会
 内分泌・甲状腺外科専門医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会
 検診マンモグラフィ読影認定医
乳腺内分泌外科医長
 山中 隆司
 横浜市立大学医学部 平成15年卒
日本外科学会 外科専門医
日本乳癌学会 専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会
 検診マンモグラフィ読影認定医
乳腺内分泌外科医師
 小島いずみ
 横浜市立大学医学部 平成20年卒
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会
 検診マンモグラフィ読影認定医
乳腺内分泌外科医師
 山﨑 春彦
 浜松医科大学医学部 平成24年卒
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会
 検診マンモグラフィ読影認定医

(更新日:2016.6.1)

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