診療科・各部門のご案内
免疫療法科

沿革

 がん免疫療法は50年以上前より非特異的免疫療法として行われてきました。さらに、1990年頃より生体内でがん細胞を特異的に攻撃する細胞傷害性T細胞(cytotoxic T Lymphocyte : CTL)が認識するがん抗原遺伝子(ペプチド)が多数同定され、治療を目的としたがんペプチドワクチンなどの特異的がん免疫療法が臨床試験として実施されるようになっています。当院におきましても各診療科で個別にがんワクチン療法などを行って参りましたが、2014年4月1日から、がんワクチン療法をはじめとしたがん免疫療法に関する臨床試験(治験)・診療を行う単独診療科として「免疫療法科」が開設されました。

がん免疫療法とは

 がん免疫療法は私たちの体に備わっている"異物を排除しようとする力"(免疫力)を増強することによって、がん細胞の増殖を抑える治療法です。がん患者が年々増加傾向にある中で、がん免疫療法は現在広く行われている外科療法、化学療法、放射線療法に続き"第4のがん治療"として注目・期待されています。がん免疫療法がより有効であるのはがんの発症予防や再発予防であると考えられますが、一方で期待や需要がより大きいのは進行がん患者に対してであり、そのどちらにおいても科学的根拠に基づいたがん免疫療法の開発が必要です。
 がん免疫療法の一つにがんワクチン療法があります。がんワクチン療法は、がん細胞に特異的に(もしくは正常細胞に比べて過剰に)発現する遺伝子や蛋白質(がん抗原)、その断片であるペプチドを投与することで、生体内にがん細胞を特異的に攻撃するCTLを誘導して治療する手法であり、新たながん治療法としてその有用性が期待されています。

診療内容

 がんワクチン療法をはじめがん免疫療法の多くは、まだ薬として承認されておらず、承認のためには臨床試験・治験を通じて効果や副作用を検証しなければなりません。免疫療法科では、これまで次に掲げる難治がんに対するがんワクチン療法の医師主導治験・臨床試験を実施してきました。

  • 進行・再発膵がんに対する医師主導治験 (平成28年3月31日登録終了)
  • 進行再発食道がんに対する臨床試験 (平成28年9月1日登録終了)
  • 切除不能進行膵がんに対する臨床試験 (平成30年3月22日登録終了)
  • 再燃前立腺がんに対する先進医療B (平成29年5月31日登録終了)
  • 進行食道がん・大腸がんに対する医師主導治験 (平成28年9月1日登録終了)

 また、現在、以下の医師主導治験を実施しております。

  • 術後の肺がんに対するがんワクチン療法
  • 再発難治性食道がん・肉腫に対するT細胞受容体(TCR)遺伝子導入Tリンパ球療法

 なお、希望すればどの患者さんでも必ず臨床試験・治験に参加できるということではありません。ご参加いただくにはいくつか条件がございますので、必ず問い合わせ先にご連絡下さい。また、治療開始時期や費用などにつきましても臨床試験・治験毎に異なりますので問い合わせ先にご連絡下さい。

 

肺がん術後ペプチドワクチンの治験ポスター(PDF)
肺がん術後ペプチドワクチンの治験

 適格性の確認(PDF)
適格性の確認

 

肺がん術後ペプチドワクチンの治験ポスター(PDF)
標準治療不応の進行食道がん・肉腫に対するがん免疫療法

 適格性の確認(PDF)
適格性の確認

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用語解説

がん免疫

 免疫は、ウイルスや細菌などに対する生体の防御反応として知られています。また、正常細胞とは異なるがん細胞を識別して死滅させることにより体を守る作用があると考えられ、「がん免疫」と呼ばれています。免疫の力を強化し、がんへの攻撃力を強める治療法が「がん免疫療法」と呼ばれています。

臨床試験

 病気に対する新しい薬や治療・診断法の安全性や有効性を調べるために行う試験全般を言います。

治験(医師主導治験)

 治験とは、薬機法に基づき、医薬品および再生医療等製品等の製造販売に関する承認申請のための資料収集を目的として行われ、医薬品医療機器総合機構(PMDA)への治験届提出を要する臨床試験のことです。
 医師主導治験は、医師自らが治験を企画・立案し、治験計画届を提出して行う治験です。従来の治験は製薬企業の主導で行われてきましたが、平成15年の薬事法改正により、可能となりました。改正以前は、医薬品としては有望であっても、開発費用に見合うだけの市場性やリスク面が整わない場合には、製薬企業などが治験に乗り出せない場合がありました。このため、大学などの研究機関が、医療現場でニーズが高い医薬品や再生医療等製品を研究開発した場合でも、企業にとって採算が取れない製品の開発は進みづらい状況にありました。医師自らが治験を実施することを制度上可能とすることで、企業のみでは臨床開発が進みづらい医薬品や医療機器でも、薬事承認取得を目指すことが可能となりました。

スタッフ紹介

診療医師名 認定資格
免疫療法科(がんワクチンセンター)部長
 笹田 哲朗
 京都大学医学部 昭和62年卒
 京都大学大学院 平成9年修
日本外科学会 外科認定医・認定登録医(専門医)
日本消化器外科学会 消化器外科認定登録医(専門医)
日本消化器外科学会
 消化器がん外科治療認定医

(更新日:2018.5.7)

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