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放射線治療科 放射線治療の方法
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放射線治療の方法

  1. 三次元放射線治療(3D-CRT)
     一般的に施行している放射線治療は、治療計画CTを撮影し、三次元的に標的臓器や正常臓器への照射線量を決める三次元放射線治療(3D-CRT)です。
  2. 強度変調放射線治療(IMRT)
     これまでの放射線治療では一つの照射野内における放射線の強さは均一でしたが、IMRTでは照射野内の放射線の強さを変化させて照射を行なう方法です。これによって腫瘍の形に凹凸があってもその形に合わせた線量分布が作ることが可能となりました。病巣部に高線量を照射し、正常臓器への線量を低下させることができるすぐれた治療法です。
     前立腺がんや頭頸部がんなどに用いています。
  3. 定位放射線治療(SRT)
     SRTは、限局した小さな腫瘍に対して多方向から照射する、高精度な放射線治療です。従来の放射線治療よりも大線量を短期間に照射することにより、腫瘍に対する効果も高くなります。
     当院では、早期肺がんや転移性肺がんなどに用いています。
  4. 三次元腔内照射
     当院ではイリジウム線源による小線源を行っています。この治療は器具(アプリケーター)を病巣部に挿入した後、アプリケーター内に小線源を挿入・停留し病巣に対して放射線を照射する治療(腔内照射)です。小線源の挿入は遠隔操作で行うことからRALS(ラルス:Remote after loading systemの略)治療と呼ぶこともあります。当科には自走式CTがRALS治療室に導入されており、CT画像を元に照射線量を決定しています。これにより病巣部だけでなく、正常組織に対する線量も正確に評価可能となったため、効果的で副作用を低く抑えた治療が施行できます。
     主な対象疾患は子宮頸がんで、肺門部早期肺がんや早期食道がんなどに対しても行っています。
  5. アイソトープを用いた内用療法
     以下のアイソトープを用いたがん治療を施行しています。
     ・甲状腺がんに対するI-131療法(外来・入院)
     ・有痛性骨転移の疼痛治療における塩化ストロンチウム-89治療
     ・悪性リンパ腫に対するイットリウム‐90標識抗CD20抗体を用いた放射免疫療法

主な診療内容

  1. 頭頸部がん
     頭頸部がんとは、口、鼻、のどに発生するがんの総称です。発生する場所により、上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん、喉頭がん、上顎洞がん、口腔がんなどに分かれます。
     がんの進行の程度に応じて、手術、放射線治療、化学療法が単独または組み合わせて行われます。頭頸部がんは嚥下、咀嚼、発声、呼吸などに関わる重要な機能が存在する場所に発生するため、その機能をいかに温存できるか、また外見上の変化が起こらないような治療ができるかが大切となります。私たちは、できるだけ重要な機能を温存することができるように、頭頸部外科と協力して患者さんに適切な治療法を提供しています。
     また、頭頸部がんに対するIMRT (intensity modulated radiation therapy:強度変調放射線治療)を行っています。IMRTにより副作用を軽減しながら根治性を高める治療が可能です。
  2. 甲状腺がん
     甲状腺がんに対する治療の基本は手術です。一部の乳頭がん、濾胞がんではアイソトープを用いた内用療法の一つである放射性ヨード治療を、術後や肺や骨に転移のある場合などに行っています。甲状腺は食物からヨードを取り込んで甲状腺ホルモンを作っています。乳頭がんや濾胞がんはこの正常な甲状腺細胞の性質を持っていることが多く、放射線で標識したヨードカプセルを内服すると、放射性ヨードは体にひそんでいる甲状腺がん(乳頭がん、濾胞がん)の細胞に取り込まれます。取り込まれた細胞に放射線を放出することでがん細胞をたたく治療法です。
     当科では乳腺内分泌外科と協力して、放射性ヨード治療や緩和目的の放射線治療を行っています。
  3. 食道がん
     食道がんに対する治療は、ごく早期の場合を除いて、治療の主体は手術です。放射線治療は、合併症などが原因で手術が行われない症例に対して治癒をめざす治療として、または腫瘍による食道の狭窄症状などを軽減する目的で行われます。抗がん剤を同時併用することもあります。治療期間は5-7週間です。当科では早期食道がんに対して通常の外部照射に小線源による腔内照射を併用する治療も行っています。
  4. 肺がん 呼吸器グループ日本肺癌学会肺癌診療ガイドライン
     早期肺がんに対しては、手術のできない場合やご高齢で手術を希望されない場合などに放射線治療を行っています。治療の方法は、定位放射線治療(4~6回の照射)、三次元放射線治療(20回から35回の照射)、腔内照射(4~6回の照射、外部照射を組み合わせることあり)などそれぞれの症例に適した治療法を選択しています。
     もっとも多い局所進行肺がん(遠隔への転移がなく、リンパ節転移にとどまる状態)に対しては、おもに抗がん剤と組み合わせた治療を行っています。治療法の多くは、三次元放射線治療を用いていますが、症例によってはIMRTも行っています。
     肺がんは脳転移や骨転移の多いがんあり、症状緩和にも放射線治療は用いられ、重要な役割を担っています。
  5. 乳がん
     乳がんに対する乳房温存手術と組み合わせて放射線治療は用いられます。放射線治療は、手術した乳房全体に予防的に照射します。25回から30回の照射を外来通院で行っています。治療期間を短縮した治療法も行っています。そのほか、リンパ領域や胸壁に照射する場合もあります。
     また、脳転移や骨転移など症状緩和の目的でも放射線治療を施行しています。
  6. すい臓がん
     すい臓がんに対する治療として、がんの進行の程度に応じて手術、放射線治療、化学療法が行われます。明らかな遠隔転移(すい臓から大きく離れた場所の転移)がある場合には化学療法による治療を行います。明らかな遠隔転移がない場合には、すい臓がんの原発巣そのものを手術または放射線治療を用いて治療を行います。ただ、明らかな遠隔転移がなくても目に見えないかたちで転移が存在することもあり、多くの場合で化学療法を併用した治療を行います。
  7. 大腸がん・直腸がん
     大腸がんの中では、主に直腸がん、肛門がんに対して放射線治療が行われます。直腸がんに対する治療の基本は手術です。放射線治療は、手術可能な場合に術前あるいは術後の補助的治療、または切除不能な場合でも除痛や延命を目的とした緩和治療として行われます。
     肛門がんの治療は手術あるいは化学療法+放射線治療の2つが選択肢となり、治療効果は両者で同等です。化学療法+放射線治療では人工肛門にすることがなく肛門の温存が可能であり、有望な治療法です。
  8. 子宮がん
     子宮頸がんは根治的な治療として放射線治療が行われることが多い疾患です。通常、外部照射と腔内照射を組み合わせて治療を行います。当科ではCT画像をベースにした三次元腔内照射を行っており、病変だけではなく正常臓器に対する線量も定量的に評価することが可能です。治療期間は6-7週間です。また、手術後に放射線治療をすることもあります。
  9. 前立腺がん
     病変が前立腺にとどまっている症例が対象となります。高精度な治療である強度変調放射線治療(IMRT)を行うことを原則としています。この治療では1回の治療時間が15-20分かかりますが、前立腺に放射線を集中させ、直腸や膀胱に対する線量を低く抑えることが可能な治療です。治療期間は約8週間です。症例によってホルモン治療を併用することもあります(泌尿器科から処方されます)。
  10. 膀胱がん
     通常は経尿道的な腫瘍摘出や膀胱全摘が選択されます。根治的な放射線治療は何らかの理由で手術が施行されない場合に行われ、対象となるのは腫瘍が膀胱壁のやや深くまで(筋層内まで)浸潤している症例です。通常、リンパ節転移や遠隔転移がある症例は対象とはなりません。当科ではジェムザールという抗がん剤を放射線治療に同時併用する治療を行っております(院内の臨床試験)。
  11. 全身照射
     おもに白血病の患者さんに対する造血幹細胞移植を目的に行われる放射線治療が全身照射です。移植前に化学療法と全身への放射線照射を行うことにより、腫瘍細胞を死滅させること、また患者さんの免疫機能を抑制することでドナーからの造血幹細胞がしっかりと根付くようにすることが目的となります。
  12. 脳転移
     転移病変の数が少なく、腫瘍の大きさが小さい場合は、定位的放射線治療が行われます。多発性の脳転移に対しては全脳照射が選択されることが多く、基本的には症状を緩和することを目的として行われます。ただし、髄膜に病巣が広がっている場合(がん性髄膜炎)は一般的に放射線治療の適応とはなりません。
  13. 骨転移
    有痛性の骨転移に対する放射線治療は非常に有効です。およそ60-80%の症例で疼痛緩和が得られます。通常は2-3週間の治療を行いますが、病変の部位や患者さんの状態によっては短期間(1-4回くらいの分割回数)で治療することもあります。多発性の骨転移で痛みの原因となっている病巣を特定するのが困難な症例や、骨の破壊が高度である場合は放射線治療の適応とならないこともあります。また、当科ではストロンチウム89という放射性同位元素を用いた内用療法も行っています。
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